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「ダルシャ…!みんな…!
ひさしぶりだなぁ!」

「ひさしぶりだな、アルディ…元気そうで良かった。
今日は、君に頼みたいことがあって来たんだ。」

「頼みたいこと…?
まぁ、とにかく中へ……」

ダルシャに着いて、ジュリアス、フレイザー、ジャネットが続き、他の者達は、カークと共に村を散策に出かけた。








「……ハイブリッドか?」

包帯を取り去ったジュリアスを見て、アルディは小さな声でそう訊ねた。



「その通りだ。」

「それにしても珍しい。
ここにも、ハイブリッドはわずかにいるが、君のようなハイブリッドは初めて見た。」

「これにはいろいろと深い事情があってな。」

「それで……彼女は?」

アルディは、ジャネットの方に意味ありげな視線を移した。



「やはり気付いたか。」

「不思議なことだが、彼女からもかすかに獣人のにおいを感じる。
どういうことだ?」

「私は……ジュリアスの双子の妹なんだ。」

「双子!?
し…しかし、君はなぜ…その……殺されずに済んだんだ?」

「それは……父さんが私と母さんを命がけで逃がしてくれたから……」



目を丸くするアルディに、ジャネットとジュリアスは、二人の出生についての長い話を聞かせた。
アルディは、二人の話に真剣に耳を傾ける。



「……なるほど、そうだったのか。
二人とも、苦労したんだな。
だが、ここではそんなことはありえない。
君も、ハイブリッドだとかそういうことは気にすることないからな。」

「え…それじゃあ……僕をここに置いてくれるんですか?」

「そのためにここに来たんだろう?」

「で、でも…僕はこんな出来……あ……」

ジュリアスは何かを思い出したように不意に言葉を止め、ジャネットの方に目を遣った。
ジャネットは、その視線に応えるように優しく微笑み頷いた。




「……どうかしたのか?」

「いえ…ただ、僕はこんなだから本当に受け入れてもらえるかと心配で……」

「こんな?他の獣人達に比べて小さいことを気に病んでるのか?
もしそうなら、そんなことは少しも関係のないことだ。
ここで大切なのは、皆とうまくやっていけるかどうか…ただそれだけだ。
俺達の数は少ない。
だからこそ、お互いが思いやり助け合っていかねばならない。
それさえ守れるなら、何も問題はない。」

「俺、頑張ります!
この村のために、獣人のために…!」

「おいおい、そう気負うことはない。
ごく普通に暮らしていけば良いんだ。
それと…ハイブリッドだということや、小柄だということを気にするな。
君が気にすれば、周りの皆も気を遣う。
俺達は同族だ。
肉親だと思って接すれば良いんだ。」

「アルディさん……」

ジュリアスは、涙が一杯にたまった瞳でアルディをみつめた。



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