３
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「畜生！獣人なんか…獣人なんか……！」
ジャネットは、ジュリアスの顔や胸を力任せに殴りまくる。
噛みしめられた唇は白くなり、ジャネットの目には光るものが浮かんでいた。
「やめろ！ジャネット！」
「良いんだ！彼女のやりたいようにさせてやってくれ。」
ジュリアスの意外な言葉に、ラスターやフレイザーは伸ばした手を止め、殴るジャネットもが意外な顔をして手を止めた。
「……ジャネット、やめるんだ…」
フレイザーはジャネットの両脇を抱えてジュリアスから引き離した。
「フレイザー…良いんだ。
彼女のしたいように…」
「そうはいかない。
……ジャネット、ジュリアスに謝るんだ。」
「いやだ！こんな獣に謝る気なんてない！」
その瞬時、乾いた音が部屋の中に響いた。
「フ、フレイザー……」
エリオットは心配そうにフレイザーの傍に寄り添い、ジャネットは打たれた頬を押さえて、まるで信じられないものを見るようにフレイザーのことをじっとみつめていた。
「ジャネット…ジュリアスにあやま……」
「やめてくれ。良いんだ、フレイザー…彼女にはきっと深いわけがあるんだろう。」
ジュリアスのその声に、ジャネットは目を吊り上げて彼を睨みつけた。
「ずいぶんとものわかりが良いんだな。
だけど、そんなことくらいじゃ、私は騙されない！
獣人は…みんな悪魔だ！冷酷で薄汚い悪魔だ！
獣人なんて、全部死んでしまえば良いんだ！！」
「ジャネット！」
険しい顔をしたフレイザーを手で制し、ジュリアスはジャネットの傍にゆっくりと歩み始めた。
「来、来るな！汚らわしい！」
ジュリアスは、ジャネットの言葉に苦笑する。
「……確かにそうだな。
俺は汚らわしい存在だ。」
「ジュリアス…そんなこと言うなよ。
俺達は、誰もそんな風には思っちゃいない。」
「ありがとう、ラスター……
でも、俺は……ずっと、こういう扱いを受けて来たんだ。
君達みたいに想ってくれる人間がどれほど少ないかってことはわかってる。」
「あのね…ジャネットには獣人を恨む特別な理由があるんだ。
だから…どうか、許してあげて。」
ラスターに続き、今度はエリオットがジュリアスに話しかけた。
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