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「うわぁ……」

テーブルいっぱいに並べられた料理に、ジュリアスは目を見開き言葉を失った。



「食器も持ってくれば良かったね。」

「それに鍋もな。」



「ジュリアス、さぁ、まずは一杯飲みたまえ。
グラスがこれでは雰囲気は出ないが……」

ダルシャは、木の器に注がれたワインに苦笑した。



「う、うん。」

くんくんとにおいを嗅ぎながら、恐る恐る器に口をつけたジュリアスは、二口目でむせて咳き込む。



「大丈夫か?」

「う、うん……大丈夫だ。
実は、俺…酒なんて飲んだの初めてなんだ。
あ……なんだか頭がふわふわするぞ。」



五人で食卓を囲んでの夕飯は、とても賑やかなものになった。
ジュリアスは、今まで食べたことも飲んだこともないものにとても興奮し、そのうちに酒の作用なのか、今までよりもいろいろなことをしゃべるようになった。



「えーーーっっ!そんなことして大丈夫なの??」

「大丈夫じゃないだろうな。
きっとえらい騒ぎになったと思うぜ。」

そう言って、ジュリアスは大きな声で愉快そうに笑った。



ジュリアスは、あの願い石を住んでいた獣人の村から盗み出したと打ち明けたのだ。




「だけど、あの願い石は双子石だった。
それがわかった時には本当にがっかりした。
だけど、まぁ、村の奴らを困らせてやったと思えば、少しは胸がすっとしたけどな。」

平気な顔でそう話すジュリアスに、他のみんなは笑うことも出来なかった。



「それで君は村を離れ、一人で暮らしているということか?」

「まぁ、そういうことだな。
正確に言えば、村を離れようと決心したからこそ、願い石を盗み出せたんだけどな。」

ジュリアスは、食事を続けながら淡々と話を続ける。



「だけど、よく捕まらなかったな!」

「そんなドジは踏まないさ。
それに俺はフーリシアから逃げてきたんだからな。」

「ええっ!そんな遠くから?
一体、どうやって海を渡ったの!?」

「イグラシアまでは、貨物船に忍び込んでどうにかやりすごした。
イグラシアからここまでは盗んだ小舟で渡り切った。」

ジュリアスの話に、皆、驚きを隠せなかった


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