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「……ジュリアス…どうしたんだろう?」

「彼にはなにか秘密があるようだ。
ここを離れたくないなんらかの秘密が……
私もさっき、獣人の村のことを話したんだが、その途端、とても機嫌が悪くなった。」

エリオットは、その言葉でさっきのダルシャの仕草の意味を悟り、小さく頷いた。



「それで、どうするつもりなんだ?」

「そりゃあ、このままにしてはおけない。
少し時間をかけて、まずは彼の隠していることを訊かせてもらおう。
どうするかは、それからだな。」

「そうだな…そうするしかないか。
それはそうと、ダルシャ……ジュリアスは、アルディ達と比べるとずいぶん小さいよな?
頭だって小さいし、鬣も少ない。
まだ大人じゃないのかな?」

「彼はそのことを酷く気に病んでいるようだ。
おそらくは発達障害のようなものか、もしくはなんらかの病気を抱えているのかもしれないな。
もしかしたら、それがコンプレックスとなって獣人の村に行くのを嫌がっているのかもしれない。」

「ばっかだなぁ…そんなこと、気にすることないのに…
って、俺だって、背が低いことは子供の頃からちょっとしたコンプレックスだったけど…」

ダルシャは、そう話したラスターの顔をまじまじとみつめる。



「なんだよ!」

「いや…君でもそんなことを気にしていたのかと…少し意外だったものでな。」

「ふん!あんたみたいに見た目が良い奴には、こんな気持ちはわからないだろうよ!」

「見た目が良いのもけっこう大変なんだぞ。
なんせ、女性達にひっきりなしにつきまとわれるんだからな。」

「勝手に言ってろ!」



顔をそむけたラスターに、ダルシャは小さく肩を震わせた。



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