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「それじゃあ、皆さん、お元気で!」

「あんた達もな!また必ず遊びに来いよ!」



次の日の朝、みんなは集落を離れた。
まずは港の近くの宿屋を目指し、次の日に戻ることに決まった。



「なんだか信じられないな。」

「信じられないって、何がだ?」

「……まさか生きて帰れるとは思ってなかったから。
僕は、この島でレティシアに新しい命を授けて、天に召されるものだと思ってた。
……なのに、僕は生き残り、彼女がいなくなるなんてな……」

ダルシャは、何も言わず、オズワルドの背中を優しく叩いた。







「もう少し早かったら、今日中に戻れたのにな。」

「何もそう急ぐこともないだろう。
今夜は、ここでの最後の夜をのんびりと楽しもう。」

宿に着いた七人は思い思いに時を過ごした。



「オズワルド、大陸に着いたらまた町に戻るのか?」

「そうだな。
……レティシアのことはきっぱりと忘れて、また元の暮らしに戻るよ。
あ、そうだ……」

オズワルドは、懐からレティシアの手紙を取り出した。




しばし、それをみつめていたオズワルドが、手紙に手をかけた。



「オズワルドさん、何をするの!?」

エリオットの緊迫した声が部屋に響いた。



「何って……破るんだよ。」

「そんな……だって、オズワルドさんはレティシアさんのことを……」

「もうやめてくれよ、恥ずかしい。」

「恥ずかしくなんかないわ!
それに、レティシアさんだって本当はきっと……」

「もう良いんだ……セリナだって見ただろう?
この素っ気ない手紙を!」

オズワルドがテーブルに叩きつけた手紙を、セリナはそっと手元に引き寄せて開いた。



「……何かおかしいのよね。
エリオット…あなた、何か感じない?」

「ボクは字がよく読めないから…
ただ、この手紙、改行が多いよね。」

「改行?
そうね、もっと続けても良さ……あっ!」

セリナは見開かれた丸い目で手紙をみつめた。
その瞳は次第に潤んでいく。



「オズワルドさん!みつけたわ!」

「みつけた?
何を?」

「この手紙を縦に読んでみて。
ここからよ。」

そう言いながら、セリナは先頭の文字を指さし、その指を下に下ろしていく。



「え、い、え、ん、に」

オズワルドの声に、皆が耳を傾ける。



「あ、な、た、を…………あ、い、す……」



オズワルドの瞳も、いつの間にか熱い涙で濡れていた。



「レティシア……!」



絞り出すようなオズワルドの声が、悲しく響いた。



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