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「……ジャネットとはうまくいってるの?」

「まぁな。」



夜明け近くまで続いた宴席の後、エリオットとフレイザーはそっと家を抜け出した。



「……もうすぐだね。」

「そうだな。
アーニーさんの言ってた獣人の話が本当だったら……」

フレイザーはそう言ったまま黙りこみ、顔を出しかけた朝日をじっとみつめた。



「……大丈夫かい?」

「何が?」

「だから……ジャネットと別れることだよ。」

「……それは最初からわかってたことだからな。」

「……そう。」

エリオットも、フレイザーと同じように登り始めた朝日をじっとみつめた。



「とりあえず、最初には俺か?それともおまえか?」

「何が?」

「願いを解く順番だよ。
まず、みんなに言わなくちゃならないことがあるとかなんとか言ってみんなを集めて……だな。
で、みんなの前で…うん、やっぱり俺が先だ。
俺が本来の年に戻る。」

「どのくらい変わるだろうね。
ここに来てもうだいぶ経つし…意外とそんなに変わらないかもね。」

「なぁ、エリオット…ここに来てどのくらい経ったかわかるか?」

エリオットは小さく首を振った。



「最初はボクもなんとなく気にかけてたけど、ここの月日の数え方はちょっと違うし、季節もあんまり変わらないから途中からよくわからなくなった。
でも、多分、二年くらいは経ってると思うんだ。」

「そうか、そんなもんか。
じゃ、俺達、今、19か20なんだな。」

「……多分ね。」

「で、みんながなんとなくざわざわしてる時に、おまえが魔法を解く……と。」

フレイザーは腕を組み、にやにやと笑った。



「服装?性別?」

「服装?……あ、そうか!
最初はよくわからなかったとはいえ、もったいない使い方してたんだな。
じゃ、まずは服装だな。
それから性別……きっと、みんな驚くぜ!
特に、ラスターが……」

そう言って笑いをこらえるフレイザーを、エリオットは苦々しい顔でみつめた。



「それから種明かしだよね。
ボク達は、実は違う世界から来たってことを……」

「いや、それは待ってくれ。」

「どうして?」

フレイザーは、ただ黙ったまま、俯くだけだった。



「フレイザー……」

「とにかく……それだけは最後に……
ほら、セリナのお母さんに会いにいったり、もしかしたら、ペルージャの獣人をアルディの所に連れていったりしなきゃならないかもしれないじゃないか。
そういうことがすべて終わってからにしたいんだ。」

「……わかったよ。」

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