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「ほ、本当なのか!?」

アーニーとフェルナンドは、セリナの顔をしげしげとみつめ、そのあからさま過ぎる視線に、セリナは頬を赤らめた。



その晩は、アーニーの家で賑やかな夕食となった。

セリナが巫女だと聞いたアーニーとフェルナンドは、セリナからなかなか視線をはずせなかった。



「あぁぁ…やっぱり俺達は出来損ないだ。
こんな近くに巫女がいるなんて、全く気付かなかった。」

「なぁ、オズワルド…
レティシアとセリナはやっぱり感じ方は違うのか?」

「それは……あんまり変わらないような気がします。
もしかしたら、護り人によってはそういう違いまでわかる人もいるのかもしれませんが……でも、僕にはわからない。」

「へぇ〜…そういうものなのか。」

アーニーとフェルナンドは、同じタイミングで頷いた。



「それにしても、どうして僕には教えて下さらなかったんですか?
フェルナンドさんは護り人だなんて一言も…」

「だから…俺達はまともな護り人じゃないから。
ここに来てずいぶん経つが、誰にも話したことはない。
あ、あえて隠してたわけじゃないぜ。
ただ、聞かれなかったからだ。」

「そういえば、あなた方はなぜこの小島に来られたんですか?」

「ダルシャ…あんたは聞いたことがないか?
巫女の楽園という話を…」

「巫女の楽園…?いえ、聞いたことがありませんが…」

他の皆も、小さく首を傾げた。



「ある時、うちの近くに巫女が来たことがあったんだ。
まだ俺達が十五、六の頃だ。
その前日からおやじも兄貴も弟も様子がおかしかった。
三人は近くに巫女がいるんだって興奮してたけど、俺達は何も感じなかった。
次の日、中年の巫女が現れた。
巫女は病気にかかっていて、酷く痩せてやつれていた。
親父達は、必死で看病をしたが巫女は助からなかった。
その巫女が死ぬ間際に言い残したんだ、『小島の楽園に……』ってな。」

「……たったそれだけ?」

エリオットは思わずそう言って肩をすくめた。



「そうだ……そういえば、レティシアも楽園という言葉を口にしたことがあった。
楽園に行けばきっと助かるとかなんとか……」



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