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「ダグ……どうし…」

「あ…アーニーが戻った!」

男はそう言って、外を指差した。



「な、なんだと!?」




フェルナンドは片足をひきずりながらも、外へ飛び出した。



「よう、来てたのか?」

日に焼けた男が、陽気に片手を挙げて声をかける。



「来てたのかじゃないだろう!
こんな長い間、どこで何してやがった!」

アーニーは苦笑すると、まわりにゆっくりと目を向けた。



「見慣れない者がいっぱいいるな。
どうかしたのか?」

「あぁ、いろんなことがあったさ。話してやるから、家の中に入れよ。」

歩き出したフェルナンドを、アーニーはじっとみつめる。



「……フェル……足、どうかしたのか?」

「それももちろん話す。」

厳しい表情でそう言うと、フェルナンドはまた家に向かって歩き出した。







「……そんなことがあったのか……」

ここ数ヶ月に起きた出来事を、フェルナンドはかいつまんで話して聞かせた。
アーニーは、その話にじっと耳を傾け、陽気な雰囲気のする彼の顔からは笑みが消えた。


「一体、どうしたんだ!
なぜ、こんなに長い間戻らなかった?」

「……嵐だ。」

「嵐?」

アーニーは、小さく頷く。



「俺は、その頃、ある男をペルージャに運んでいた。
それはうまくいったんだが、嵐が近付いて来てるのがわかったから、俺は、男の知り合いの所で嵐が過ぎ去るのを待とうとした。
そこに向かう途中で、急に嵐が酷くなってきて、俺は飛んできた大木に直撃された。
それからしばらくのことは記憶さえないんだ。
例の男が俺を医者に診せ、ずっと付き添ってくれたようだ。
一時は危ない時期もあったらしいが、俺はなんとか生き延びた。
時間はかかったが、どうにか助かって、ここに戻って来られたって訳なんだ。」

どこか照れくさそうにそう話して、アーニーは微笑んだ。

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