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「ねぇ、セリナはどう思う?
レティシアさんには、オズワルドさんの気持ちは伝わってなかったのかな?」

「伝わってないわけはないと思うわ。
でも……きっと、言えなかったのよ。」

「命を捨てる覚悟をしても?」

「それは……」

セリナは困ったような顔をして、そっと俯いた。



「それでも言えないのではないかな?」

ダルシャはセリナの隣に腰を降ろし、二人の話に口をはさんだ。



「セリナ…君がレティシアさんの立場だったらどうする?」

「私は……私は誰かを好きになったことがないから、そんなことわからないわ。」

「でも、想像することは出来るのではないか?」

「……それはそうだけど……」

セリナは歯切れの悪い口調でそれだけ言って口ごもった。



「さっきのフェルナンドさん……足をひきずっていたが、もしかしたら、あれは巫女を追ってた奴等と争った時に負った傷かもしれないな。
……一生あのままなのかもしれない。
エリオット…たとえば、君が原因で、誰かが酷い怪我を負ったらどう思う?」

「そ、そりゃあ、申し訳ないと思うよ。」

「誰でもそう思うだろうな。
その時にはまだ仲間が生きていた。
だから、自分のせいでさらに怪我をする者が…或いはへたをすれば命を落とす者が出るかもしれないと思うと、いたたまれない気持ちになったのではないだろうか?」

「だから、皆の前から姿を消した…?」

「私はそう思う。
もしかしたら、オズワルドの身に危害が及ぶことを心配したのかもしれない。」

「……だよね。ボクもきっとそうだと思うよ。
だけど、手紙には少しくらい気持ちを書けば良かったのに。」

ダルシャは、レティシアの残した手紙を懐から取り出した。



「確かに、あまりにも事務的だな。」

セリナは手紙を受け取り、何かを探すように懸命にみつめる。



「ダルシャ…この手紙、何か変じゃない?」

「変……とは、どういうことだ……」

「どうと言われると困るのだけど……」

手紙をみつめながら、セリナは小さく首を傾げた。


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