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「中はけっこう広いのだな。」

「……まぁな。さ、適当に座ってくれ。」

そう言いながら、オズワルドは、長椅子に腰を降ろした。



「オズワルド…どうしたんだ?
手紙には何と書いてあったんだ?」

オズワルドのどこか不自然な様子に、ダルシャはなんとも言い難い不安のようなものを感じていた。
オズワルドは、ポケットから便箋を取り出し、それをダルシャの前に差し出した。



「読んで良いのか?」

「あぁ…構わない。」



手紙には、オズワルドに対する感謝と謝罪の言葉、フェルナンドに対する謝罪、庭に願い石が埋めてあることと、石を奴等には絶対に渡さないでということがやけに簡単に書いてあった。



「……実にがっかりしたよ。
これは彼女の最期の手紙だ。
もしかしたら…ほんの一言くらい、僕に対する気持ちが書いてあるんじゃないかって思ったけど……
僕は自惚れてただけだったんだな。」

「……誰かに見られることを懸念したのではないか?」

「……もう良いんだ。
すべては終わった。
あ……僕はフェルナンドさんの所に行ってくる。
何もないけど、君達はここで寛いでいてくれ。」

そう言い残すと、オズワルドは、部屋を後にした。







「なんとも気の毒な男だな…」

「私はそうは思わない。
レティシアは、巫女という立場上、滅多なことは書き残せなかったんじゃあないか?」

「本人が死んじまった以上、本当のことなんてわからねぇからな。
ま、どう思うかは本人の自由だろうさ。
そんなことより、まさか、願い石が手に入るなんてな。
これはどっちなんだろう?
双子石か願がかけられる石なのか…」

ラスターは、緑色の願い石を手に取りしげしげと眺めた。



「私…どうして石の存在に少しも気付かなかったのかしら?」

セリナはまるで独り言のように小さな声で呟いた。



「埋められてたからじゃないか?」

「やっぱりそういうことも関係するのか?」

セリナは小さく首を振る。



「今まではこんな風に埋まってたものはないから、わからないわ。
あ、でも、紫の双子石も土に埋まってたけどあの時は確かに感じた……それももっと離れた所から……
なのに、今度はまるで感じられなかったなんて……」

「今はどうなの?」

「今はもちろん感じるわよ。」

「……不思議な話だね。」




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