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「本当にお世話になりました。」

次の朝、レティシアの墓に花を手向けた七人は村の者に別れを告げた。


「またいつでも来ておくれ。」

「……ありがとうございます。」



村を離れようとした時、一人の女の子がオズワルドの元に駆け寄り、彼の腕を引っ張った。



「どうしたんだい?」

女の子は、オズワルドに耳を貸すように手を招く。
オズワルドは、背をかがめ、女の子の傍に近付いた。



「小鳥の家に手紙を置いたって。」

「どういうことだい?」

「青い石の腕輪をしたお姉さんが言ったの。
これと同じ腕輪をした男の人に会ったら、小鳥の家に手紙を置いたって伝えるようにって。」

女の子はそう言うと、村の方に駆け出して言った。



「オズワルド……どうかしたのか?」

「あの子が、レティシアからの伝言を……」

そう言うと、オズワルドは足早に歩き始めた。



「お、おい、オズワルド……」

六人は理由もわからないまま、慌てて彼の後を追いかけた。







「あそこです。」

オズワルドが指差した集落は、老婆の村から小一時間程歩いた場所だった。



「このあたりには、こうした小さな村が多いのだな。」

「そのようですね。」

村に入ると、オズワルドを見て、村人達が声をかけ、オズワルドもそれに対して気さくに返事を返す。



「オズワルド!」

またしばらく進んだ所で声をかけてきたのは、体格の良い若い男だった。
男は歩く時に片足をひきずっていた。



「フェルナンドさん!」

「なかなか戻ってこないから心配してたんだ。
レティシアの情報はみつかったのか?
……それで、この人達は?」

「フェルナンドさん、後でお宅に行きますから、待ってて下さい。
その時に話します。」

そう言ってフェルナンドと別れたオズワルドは、さらに村の奥を目指して歩き続けた。


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