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「セリナ〜!エリオット〜!
どうかしたのか〜!?」

「どうもしないよ。
先に行ってて。
すぐに追い付くから。」

エリオットは、フレイザーに大きな声で返事した。



「レティシアさん…余程、期待してたんでしょうね。」

セリナは、海をみつめながら、独り言のように呟いた。



「……そうだね。でも、奴等は…
ねぇ、セリナ…オズワルドは、奴等を始末したって言ってたけど、始末っていうのは、やっぱり……」

セリナは、小さく頷いた。



「えぇ、もちろんよ。
殺したってこと。」

「セリナ…セリナは、それをなんとも思わないの?」

「そりゃあ…人を殺すのは怖いことだと思うわよ。
だけど、奴等は殺されても当然の奴等よ。
オズワルドさんだって、危ない目にあったって言ってたじゃない。
……私だって…捕まってる間、奴等を殺してやりたいっていつも思ってた!」

セリナの声が小さく震え、拳を固く握りしめた。



「……ごめん、いやなこと思い出させて……」

「奴等は巫女を道具だとしか考えちゃいない。
願い石をみつけるためだけの道具なのよ。
言うことを聞かせるために、私達をしょっちゅう痛め付けた……死なない程度にね。」

「セリナ…!」

エリオットは、セリナの身体を抱き締めた。
セリナから伝わる速い鼓動や震えが、エリオットに彼女の傷の深さを感じさせた。



「そうだよね…奴等はとても悪いやつだから…
当然だよね。
うん…今、こうして安心してられるのも、オズワルド達が始末してくれたからだもんね。」

エリオットは、口にする一言一言をまるで自分に言い聞かせるように話した。



「……私こそごめんなさい。
あなたをいやな気分にさせてしまって……」

エリオットは俯いたままで首を振る。



「あなたは本当に優しいもの。
それに比べて、私はまるで悪魔ね。」

「そ、そんなことないよ。
セリナが、奴等を恨むのは当然だ。
ボクは…きっと心が弱いだけ……」

そう言って俯いたエリオットの心の闇を知らないままに、今度はセリナがエリオットを強く抱き締めた。


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