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「君は巫女の居場所をどのくらい感知出来るんだ?」
「さぁ…僕にはうまく説明出来ない。
ただ……」
オズワルドはそう言ったっきり、俯いた。
「何かあるのか?」
「彼女に初めて会った時や、今日のような感覚とはまるで違う。
……すごく弱いものなんだ。
だから、心配なんだ。
彼女が病気にでもなってるんじゃないかって……」
「どこか、強く感じるような場所はないの?」
オズワルドは力なく首を振る。
「どこに行っても、強さに違いはないんだ。」
「そう……だったら……」
エリオットが何かを話しかけた時、扉を叩く音が響いた。
「きっと、フレイザー達ね。」
セリナの推測通り、そこに立っていたのはフレイザーとジャネットだった。
「……あれ?」
部屋に入ったフレイザーは、オズワルドの存在に気付いた。
「フレイザー、ジャネット、こちらはオズワルドさんよ。」
「オズワルド!?
それじゃあ、この人が……」
フレイザーとジャネットは、目を丸くしてオズワルドをみつめた。
「……君達は大人数で行動してるんだね。
他にもまだいるのかい?」
「いや、これでみんなだ。
ところで、オズワルド……今夜はここに泊まっていかないか?
まだ聞きたいこともあるし、レティシアのことも相談しなくてはならない。」
「……残念だが、僕にはこんな所に泊まるお金は……」
「大丈夫よ。
お金のことは、心配ないわ。
実はね、私達もダルシャに全面的にお世話になってるの。」
どこかおどけた素振りでセリナがそう説明し、オズワルドは、曖昧に頷いた。
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