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「エリオット…どこに行ってたんだ?」

「うん…ちょっと宿の人に話を聞いてきたんだ。」

そう言うと、エリオットは聞いて来たばかりの話を話し始めた。

オズワルドと巫女らしき二人は泊まったことがないこと、柄の悪い三人組が、オズワルドと巫女らしき女のことを訊ねて来たこと、二組はどちらもこの宿には泊まらなかったことを。



「結局、ここでわかったのは当時の話だけだったんだ。」

エリオットは俯いたまま、小さく首を振る。



「彼らは間違いなくこの島には来てると思うんだが…どっちも宿には泊まりそうにないな。
それとも、もう一軒の宿の方なのかな?」

「フレイザー、あんたどう思う?
こんな状態で、セリナを連れていって大丈夫だと思うか?」

「……確かに難しいよな。」

「フレイザーまでそんなことを…」

セリナは悔しそうに唇を噛み締めた。



「よし、それじゃあ、俺とジャックがあたりを聞き込んで来る。
そこで問題がなさそうだったら、みんなで行こう。」

「それなら俺も……」

「万一、部屋に来られたら大変だ。
君とエリオットはセリナに付き添ってくれ。」

「……私は、とんだお荷物ね。」

苛立ったようなセリナの声に、エリオットは優しくセリナの手を取った。



「じゃあ、行ってくる!」

フレイザーとジャックは部屋を後にした。

部屋に残された三人は、気まずい空気の中、誰もが口をつぐんだまま、さらに気まずさを募らせていた。



「……こんな所まで来て、部屋から出られないなんて馬鹿みたい。」

セリナの発した小さな声には、恨みがましい想いがこめられていた。



「セリナ、ずっとじゃないよ。
フレイザーが戻ってきたら……あ、それより先にダルシャが帰ってくるかもしれないし……ね、少しだけ待ってようよ。」

セリナはエリオットのその言葉に何も返事をせず、動作で意志を示すこともなかった。



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