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「なんだか、ちょっと暖かいような気がするな。」

「船でたったの3時間なのにな……」

着いた島は、巫女やそれを追う男達のことがいまひとつピンと来ないほど、のどかな場所だった。
大陸とは明らかに違う、酷くのんびりとした雰囲気に、皆、驚き、癒されていた。



エリオットは船着き場で、島のことを簡単に聞き込んだ。



「宿は二軒あるらしい。
島の地図をもらってきたよ。
ほら、こことここ。
まずは近い方のこっちに行ってみようか?」

「そうだな……」

ラスターは周囲を確かめながら、ゆっくりと頷いた。



最初に向かった宿屋にダルシャが泊まっていることがわかった。
ただ、彼は朝から出掛けているということで、どこへ行くとか、いつ戻ってくるという言伝てもなかった。


「どうしよう?
このままここで待ってて良いのかな?」

「待ってたってだめだろう。
やっぱり探しに行かなきゃ。」

「探すって……誰をだ?巫女か?護り人か?それともダルシャ?」

「皆よ。さぁ、出掛けましょう!」
「ちょっと待った!」

立ち上がったセリナの腕を、ラスターがぐいと引き戻す。



「何をするの?」

「セリナはここにいた方が良い。
危険な奴等がいるかもしれないんだから。」

セリナはラスターの手を振りほどく。


「馬鹿なことを言わないで。
私がいたら、護り人さんはすぐに気付く。
早くに護り人さんをみつけられるのよ。」

「だけど……危険だ……」

セリナを気遣うラスターはなかなかセリナの意志を認めようとはしなかった。



「……ちょっと待ってて。」

そうとだけ言い残して、エリオットは部屋を後にした。



「エリオット……どこに行ったんだ?」

「ラスター…私は行くわよ。
こんな所まで来て部屋の中で待ってるだけなんて…私…そんなこと、絶対にいやよ!」

「だけど、セリナ……」



決意の固いセリナに、なんと返したものかとラスターが悩んでいる時…部屋の扉が開き、エリオットが戻った。

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