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「それでね、本当ならここへ来るはずだったんだけど、ダルシャがレイボーンが気になるって言い出したのよ。
レイボーンからは小島への船が出てるらしく、もしかしたら、ふたりはそこへ身を隠そうと考えたんじゃないかって……
それで、先にレイボーンに行ってみたら、護り人さんと巫女らしき人が数か月前にレイボーンの船着き場から小島へ向かったって話を聞いたの。」

「な、なんだって!!」

ラスター達は、セリナの話に目を丸くした。



「しかも、そのすぐ後に柄の悪い男達が小島に渡ったって……それで、ダルシャは一足先に小島に向かったの。
もしも、二人が危険な目に遭ってたらいけないからって……」

「柄の悪い奴らはずっと巫女たちの後をつけてたわけじゃないのか?」

「いいえ。一度もそれらしき話は聞かなかったわ。
話を聞いたのは、レイボーンに来て初めてよ。」

「そうか…奴らの話も、巫女のと同様にカルボの近くの港町を最後にさっぱりなくなってたんだ。
だから、巫女の後をずっとついてったんじゃないかって思ってたけど…カルボでは巫女の姿は見られていない。
つまり、巫女は脇道に逸れたことで一度は奴らをまいたんだ。
で、奴らはきっと、パルメンあたりで張ってたんだろうな。
カルボからパルメン行きの船が出てるようだからな。
それでもなかなか見つからないから、レイボーンに行ったのかもしれない。」

五人は地図をみつめながら、それぞれに頷いた。




「それじゃあ、とにかく明日朝早くに出発しないと……」

「ダルシャだけじゃ大変だろうからな…!」



「……もう何か月も前のことなんだ。
今から行ったところで、それこそどうにもならないぜ。」



突然低い声でそう言ったラスターに四人の視線が集まった。



「そんなこと…行ってみなくちゃわからないじゃない!」

「行かなくてもわかるさ。
小島がどのくらいの広さなのかはわからないが、どうせ狭い所だろうから、巫女も護り人も奴らにみつかって今頃は……」

「ラスター!」



エリオットの射るようなきつい視線に、ラスターはそれ以上は話さなかった。

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