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「嬢ちゃん、何か目をひくものがあったかね?」

「え…あ、あぁ…うん。おじいさん、これすごく可愛いね!」

「どれじゃな?」

老人は立ち上がり、作業台からエリオットの指差したものを手に取り、また元の場所に戻った。




「まぁ、可愛い!」

テーブルの上に並べられた小さな二つのものに、セリナも思わず声を漏らした。



「依頼のない時に、ふと思いついて作ったもんなんじゃが……
これが何だかわかるかね?」

「……何だろう?何かの実…みたいだけど……」

「あ!もしかして、バグゥアの実じゃないかしら?」

「あたりじゃ!
それでは、これにはあるからくりが施してあるんじゃが、それはなんだかわかるかな?
ほら、手に取ってじっくり見てみるとええ。」

セリナとエリオットは、言われた通りに、それらを一つずつ手に取り観察していたが、老人の言うからくりはなかなかみつけることは出来なかった。



「何かしら?全然わからないわ。」

「ボクもだよ。」

「セリナ、エリオット、ちょっと貸してくれないか。」

二人からそれらを受け取ったダルシャは、それを重ね軽く力を加えると、それらはぴったりと一つになった。



「正解じゃ。」

「すごい!ぴったりくっついてもう全然取れないや!」

「取る時は、ほれ、ここのつまみをこうしてじゃな……」

老人が小さなつまみを爪で押し込むと、二つのものはぱちんと軽い音を立てて二つに離れた。



「ダルシャ、どうしてわかったの?」

「バグゥアの性質を考えればすぐにわかることだ。」

ダルシャは、にっこりと微笑みながらそう答えた。



「バグゥア……?」

エリオットは、その言葉を繰り返し、ゆっくりと首を傾げる。


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