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「さぁ、明日からはまた追跡の旅が始まるぞ。
早く寝とかなきゃな。」

そう言いながら、フレイザーはベッドに潜り込んだ。




「あ、あぁ……
あの…フレイザー…さっきのことだけど……」

「……さっきの?
何のことだ?」

「だから……もしも、記憶が戻って……」

「またそれか〜……」

フレイザーはうんざりした顔で、大きなため息を吐く。



「あんたがあんな風に言ってくれたのは嬉しかったけど……
でも、もしも、エリオットがあんたのことを好きだったら……」

「ない、ない、ない!
そんなことは絶対にないから安心しろ!」

「なんでそんなことが言えるんだよ。
あんた達、記憶をなくしてるんだろ?
だったらわからないじゃないか。
それに、もしかしたら恋人同士どころかすでに結婚してたり……子供がいたりしたら……」

「俺とエリオットの間に子供……?」

一瞬、きょとんとしたフレイザーが、今度は大きな声を上げて笑い始めた。



「なんで笑うんだ!
そりゃあ、エリオットは若いけど、でも、子供がいたって不思議はないぞ。
結婚となればなおさらだ!」

「お、俺とエリオットに子供……!」

フレイザーは、笑い過ぎて込み上げた涙を拭いながら、腹を抱えて笑い続けた。
そんなフレイザーの様子に、ジャネットは不機嫌なものに変わっていく。



「……もう良いよ。」

寂しそうな顔でそう言ったジャネットに気付いて、フレイザーもようやく笑うのをやめた。



「ジャネット……俺とエリオットの間にはそんなことが絶対にないってことを、必ずわかってくれる日が来るさ。
だから、もう少しだけ待ってくれ。」

「もう少しって……どういうことなんだ?」

「……もう少しはもう少しだ。
それまで俺のことを信じてくれ。」

真っ直ぐな瞳でそう言ったフレイザーに、ジャネットは戸惑った様子でほんの小さく頷いた。


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