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「え、ええーーーっ!」

「エリオット…声がでかいって!」

「だ、だって……
な、なんだって、急にそんなことに……」

「そりゃあまぁ成り行きっていうか、なんていうか……」

フレイザーは、エリオットを呼び出し、昨夜のジャックとの出来事を話した。
だが、そうなったいきさつについては歯切れの悪い言葉で誤魔化した。



「ダルシャやラスターが冷やかしてたけど、まさか本当にそんなことがあったなんて……
びっくりしたよ。
……とりあえずは無事で良かったけど……それにしても、君もずいぶんと思いきったことをしたんだね。
ジャックが傷付かなくて本当に良かったよ。」

「そのあたりのことを俺だってちゃんと考えてたさ。
つまりは雰囲気だな。
ジャック……じゃない、ジャネットは、護り人から巫女の運命を聞いて、大きなショックを受けたようだ。
それに……セリナにも言われたらしいんだ。
セリナは人を愛することが出来ないから、俺とずっと仲良くしてセリナの分も幸せになってくれって。」

「……なるほど。辛い話だね。
そんな話をしていて、その流れで自然にっ……てことなんだね?」

「ま、まぁ、そういうことだ。」

フレイザーはそう言って、どこか不自然な顔で笑った。



「ジャック……じゃない、ジャネットだったね。
服装もあんな風にして、フードもやめたってことは、彼女は本気だってことだよね。
……ほら、少し前に、君はジャネットを避けてラスターとばかり一緒にいたことがあったじゃない。
あの時、ジャネットはかなり気にしてたんだよ。
フレイザーは、きっと、今、君と仲良くなれる方法を考えて悩んでるんだってボクが言ったら、じゃ、フレイザーは俺のことで苦しんでるのか?って訊いてきたから、そうだって答えたんだ。
そしたら、彼女、なにかを考えこんでるみたいだったよ。
もしかしたら、あの時にもうこうなることを決意してたのかもしれないね。」

「あいつがそんなことを…?
そうか……」

フレイザーは、ぼんやりと遠くをみつめ小さく何度も頷いた。


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