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「えぇーーーーっ!」

「ジャ……ジャックなの!?」



「な、なんだよ!
そ、そんなに驚くことないだろ!」



次の朝、食堂に現れたジャックを見て、皆、あからさまに驚きの声を上げた。
ジャックは、セリナに買ってもらったベージュの花柄のドレスを着て、いつもとはまるで別人のようだったのだから。



「そうよ、皆、失礼よ。
どこもおかしい所はないじゃない。」

「おかしいと言っているんじゃない。
ただ、いつもとあまりに雰囲気が違うから……」

「俺……おまえの顔、こんなにはっきり見たのは初めてだ!
いつも、おまえはあの鬱陶しいフードをかぶってたからな。」

「けっこう可愛いだろ?」

ジャックの隣でにこにこしながら、フレイザーが発したその一言にジャックは顔を赤らめた。



「……言ってくれるな。
なんだ、フレイザー……何か良いことでもあったのか?」

「べ……別に、何もないけど……
そ、そんなことより、早く食事にしよう。」

ラスターの冷やかしに、今度はフレイザーが顔を赤くする。



「……なるほど。
そういうことか……」

意味ありげな笑みを浮かべながら、ダルシャがフレイザーをちらりと見遣った。



「……と、とにかくだな。
今日から、こいつのことはジャネットって呼んでくれ。
もうジャックはいない。
ジャネットだ。」

わざとらしい咳払いを一つすると、フレイザーは淡々とした様子でそう話した。
その隣で、ジャックは俯き加減に顔を傾けたまま、ただ黙りこむ。



「はいはい、わかりました。
そっか、なるほどな。
今日から、ジャックは女に戻ったってことなんだな。
フレイザー……鼻の下が伸びてるぞ。」

「ど、どこが!
俺はいつも通りだ!」

「まぁまぁ……良いじゃないか。
とにかくめでたいことだ。
フレイザー、これからもジャック……いや、ジャネットのことを大切にしてくれよ。
おぉ、そうだ!
二人の未来を祝して、乾杯といこうじゃないか!」

「あんたは、なんだかんだ言って飲みたがるんだから……」

口ではそんな文句を言いながらも、ラスターの顔には晴れやかな笑みが宿っていた。



「かんぱーい!」

皆の明るい声と、グラスを合わせる音が食堂に響き渡る。


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