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「ん……うぅん?
……ジャックなのか!?
えっ……ど、どうしたんだ?」

目を覚ましたフレイザーは、すぐ傍にジャックの身体の温もりを感じ、驚いて声を上げた。




「フレイザー……
俺を……いや……わ、私を……抱いてくれ!」

「な、なんだって!?」

フレイザーの指先に触れたものは、何も身に着けていないジャックの滑らかな素肌だった。



「フレイザー……わ…私はあんたのことを愛してる。
だから、あんたにもっと愛されたい。
身も心も、命懸けで愛して愛されたいんだ!」

「ちょ…ちょっと待ってくれ!
お、俺は……」

話しかけたフレイザーの唇を、温かなものが覆った。
初めてのこととはいえ、それがジャックの唇だということは晩熟なフレイザーにもすぐにわかった。
痺れるような感覚と、激しく打ち鳴らされる鼓動を感じながら、フレイザーは押し寄せる甘美な感情の波に次第に飲みこまれていった……







「……えっと……ありがとう。」

フレイザーから差し出された水をごくごくと一気に飲み干したジャックが、再びベッドの中に潜りこみ、小さな声で呟いた。



「こ、こっちこそ……
ご、ごめんな……その……あの……なんて言うか……」

「何も言わないでくれ。
お……私、今、ものすごく恥ずかしいんだ…こんなことしてしまって……
……正直に言ってくれ。
やっぱり、昔、こういう商売をしてたからって……気持ちが冷めたか?」

「そ、そんなことないって!
それより、俺……下手……」

ジャックの柔らかな唇が、フレイザーの話を止めた。



「ジャック……」

「これからはジャネットって呼んでくれ……
わ、私は今日からまた女になる。
もう男は完全にやめるから……」

ジャックは、フレイザーに背中を向け、恥ずかしそうに小声で呟く。


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