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六人は居間に通された。
アンディの家よりは一回り程広いが、それでも六人が入るとゆとりがあるという状態ではない。



「今、やかんを火にかけたから、誰かあとで見ておくれ。
さて、話を聞こうか。
まずは名前を聞かせてくれるかな?」

台所から戻るなり老人はそう言って、セリナの向かいの席に腰を降ろした。



「セリナです。
そして、こちらは……」

「あぁ、あんただけで良い。
それで、何が聞きたいんだ?」

老人の遠慮のない物言いに、ラスターはあからさまに不機嫌な表情を浮かべる。



「え…?えっと……
実は、私はイグラシアから来たんですが、そこで悪い奴らに追われていて……捕まったこともありましたし、ここ数年、落ちついた暮らしをしていないので、護り人さんについてほとんど何も知らないんです。
本来なら母様から聞くはずだったんだと思いますが、そんなわけでほとんど聞くことが出来なくて……」

「なるほどな……
あんたもずいぶん辛い想いをしたんだな。
それで、お母さんはどうした?
まさか、悪い奴らに……」

老人の顔がにわかに緊張したものに変わった。



「いえ……今は安全な所にいます。
もうしばらくしたら会えるんですが、イリヤさんにおじいさんのことをお聞きしたので、どうしても会ってみたくなって……
私達、イグラシアからここまでずっと旅をして来ましたが、護り人さんのことを聞いたのは今度が初めてだったんです。」

「そうだったのか…
そりゃあ、巫女も護り人も少ないからな。
しかも、護り人には巫女が近くにいるとわかるが、巫女にはわからない。」

「あ……確かに私何も感じませんでした。
そうなんですか…それで……」

「おじいさん、護り人は願い石の存在はわからないの?」

「あぁ、わかるのは巫女だけだ。
……と、わしは親から聞いている。
願い石を見たことはないから、実際はどうだかわからないがな。」

老人は横から口を挟んだエリオットに顔を向け、簡潔に返事を返す。



「その話は、間違いなさそうだな。」

皮肉な笑みを浮かべたラスターが、ぽつりと呟いた。



「そうとも限らないぞ。
なんせ、石はあの箱の中に入ってるんだからな……」

ラスターはフレイザーのその言葉に決まりの悪い表情を浮かべた。





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