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「エリオット、すごいじゃないか!
よくもあんなもの持ち上げたな!」

「……それより、よくもあんなものを隠してたなって方じゃない?」

エリオットは長椅子に横になり、弱々しい声でそう答えた。



「そりゃあそうだけど……
とにかくあんなものが出て来るなんて、全く驚いた…!」

「ボクだって驚いたよ。
願い石の他にもう一つ役に立てそうな物が沈めてあるとは聞いてたけど、まさかそれが橋だなんて思ってもみなかったもの……」

「そんなこと、思いつく奴なんて誰もいないさ。
だけど、これからは裏山を通らなくてもすむんだから、確かにすごく役には立つけどな。」

「エリオット……本当にあんたにはなんとお礼を言ったら良いか……
何から何まで本当にありがとうよ。」

サンドラは優しい口調でそう言いながら、エリオットの手を握り締め、エリオットは照れ臭そうに微笑んだ。



「さ、とにかく、まずはそれを開けてみようかね。
今度こそ本物の願い石が入ってると良いんだけど……」

「今度は絶対大丈夫だよ。
おばあさん、お母さんのことを信じてないの?」

「そういうわけじゃないけどさ……
フレイザー……その箱を開けとくれ。」

フレイザーは頷き、箱の前面についたつまみを回し開けようとするが、それはびくとも動かない。
むきになって懸命に力を入れるが、まるで動く様子がなく、それを見たエリオットはくすりと笑う。



「……駄目みたいだね。
おばあさん、開けてみて。」

「エリオット、なに言ってるんだ。
このつまみはすごく固くておばあさんなんかに……あ……」

サンドラがひねると、軽い音を立てていとも簡単につまみが回った。



「……どうなってるんだ??」

エリオットとサンドラは顔を見合せて微笑み、フレイザーは首を傾げる。



「さて、と……」

サンドラが蓋を開けると、そこにはオレンジ色の願い石が入っていた。
それを見たエリオットとフレイザーは、信じられないものを見たように目を大きく見開いた。



(どうなってるんだろう?
この願い石は本物のはずなのに、赤じゃない!偽物と同じオレンジ色だ。)

フレイザーもエリオットと同じようなことを考えていた。
二人は,当然、今度は赤の願い石が出て来るものと考えていたからだ。


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