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「ここがエアロスの町か〜」
いくつかの町を飛び越え、三人がエアロスの町に着いたのは町の人々がようやく目を覚まし始めた頃だった。
「エリオット、このまえより操縦がうまくなったんじゃないか?」
「それに、この前より高く飛んでたよな!」
「そう?」
二人に誉められたエリオットは嬉しそうな微笑を浮かべた。
「おまえは、元々ゲーム好きだもんな。」
「ゲーム…?」
「いや…なんでもない。
魔法をゲームみたいにうまく操るってことだよ。」
ラスターは、フレイザーの言葉に訝しげな表情を浮かべながらも、それ以上追求する事はなかった。
「さてと、まずは食堂にでも行って、ついでにセリナのことを聞いてみるか。」
三人は目に付いた食堂に入り、軽い朝食を注文すると同時に、店主にセリナのことを尋ねた。
「あぁ…その娘ならここに来たよ。」
「本当か!
それで、その子はどこに行くって言ってた?」
「それが、食べるもんを食べたらそのままどこかへ出て行ったから、話はしてないんだ。
とても珍しい髪色だから興味はあったんだが、聞いて良いもんかどうかよくわからなかったし、それで、俺もこっちからは声をかけなかったんだ。」
「そうか…ありがとうよ。」
三人は顔を見合わせて微笑んだ。
「やっぱり、思った通り、セリナはこの町に来てたんだな!」
「あとは、この先のどっちの道を進んだかがわかれば、意外と簡単にみつかるかもしれないぞ!」
「ええっと…この先は…海側の道がマリーナ、山側がラシーナって町に続いてるな。」
フレイザーが地図を見ながらそう言った。
「そうだ!この先は二手に分かれないか?
そうすれば、どっちに進んだかすぐにわかるだろ?」
「そうだな、じゃあそうするか!」
「じゃあ…俺はエリオットと一緒にマリーナへ行く。
あんたはラシーナの方を頼む。」
「おいおい、なんで俺が一人なんだ?」
「だって、あんたが一番年上じゃないか。」
「そ…そりゃあ、そうだけど…」
フレイザーがエリオットの方を見ると、エリオットは微笑みながら何度も頷く。
「……わかった。
じゃあ、そうしよう。
手掛かりがあってもなくても、エリオットの魔法で俺を迎えに来てくれ。
どうする?宿屋で少し休んでから出発するか?」
「いや、すぐに出発しよう!
どっちに行くか決めてからゆっくり休めば良い!」
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