「セリナなら…石のありかを知ってる。」

二人の見守る中、ラスターは俯いたままそう答えた。



「セリナ?
誰なんだ、それは…?」

「セリナは……俺の大切な…友達だ。」

ラスターは、セリナについて話し始めた。
セリナとラスターが出会ったのは、二年ほど前のことだという。
ラスターの住むスラム街に迷いこんだセリナが男達に絡まれている所をラスターが助けたのがきっかけで二人は自然と仲良くなったそうだが、セリナはある日突然ラスターの前から姿を消したということだった。



「それで、なんでそのセリナとやらは石のありかを知ってるんだ?」

「俺、セリナに聞いたんだ。
セリナには不思議な力があって、願いの石が近くにあるとそれを感じることが出来るんだって。
そのことでセリナは石を探してる奴らに狙われてて、それで、一人で逃げ回ってるってことだった。
彼女が突然いなくなったのも、きっとそのせいなんじゃないかと思うんだ。」

「なるほどな。
でも、それは二年も前のことなんだろ?
セリナが今どこにいるかわかるのか?」

ラスターは悲しげに首を振った。



「だけど、手掛かりはある。
彼女は、透き通るような長い白銀の髪をしてるんだ。
あんな髪をしてる者はめったに見かけない。
だから、こまめに聞いていけばきっと彼女の所に行きつけると思うんだ。」

「手掛かりは髪の色だけか…
そんなことでわかるかな…?
他に何かないのか?どっかにほくろがあるとか太ってるとか…」

「他にねぇ…」

ラスターは、セリナの外見について話し始めたが、髪の色以外には特別変わった所はないように思われた。
セリナはラスターと同じくらいの年齢の細身の少女だということだった。



「じゃ、やっぱり手掛かりは髪の色だけだね。」

「そういう事だな。
ま、今後のことはこれからゆっくり考えるとして、とりあえず、しばらく休むとするか。」

「そうだね。
昨夜は全然眠れなかったもんね!」

話が決まると、三人はベッドに潜り込んだ。


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