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「マルタンさん!リュック!
開けて!大変なの!」

次の朝、私は扉を叩くけたたましい音で目を覚ました。
私よりもリュックの方が早く起き上がり、その扉を開いた。



「爺さんか!?
爺さんになにかあったのか?」

クロワは驚いたような顔をして小さく頷いた。
なぜリュックがそんなことを言ったのか、私には思い当たることがあった。
おそらく、彼はまたなんらかの夢を見たのだろうと感じたが、話を聞く暇もない。
私達は顔を洗うのもそこそこに、階段を駆け下りた。




「あ、朝早くから申し訳ありません。」

そこにいたのは若い方の神父だった。



「どうしたんだ?」

「実は…先ほど、タバサさんがエリックさんの様子がおかしいとおっしゃって…
早起きのエリックさんがいつもの時間になっても目を覚まされないので、最初は疲れが出たのだろうと思われたそうですが、どうも様子がおかしいと…
私達が見に行った時には、エリックさんはもう…
念のため、診療所の先生をお呼びしてから、あなた方にお知らせに来たのですが、こちらのクロード先生もつい先程教会に向かって下さいました。」

「……やっぱりそうだったか……
マルタン!クロワさん、教会へ行こう!」



私達はすぐさま教会へ駆け付けた。
エリックはまだベッドの上に寝かされたままで、その姿は安らかに眠っているように見えた。
だが、それが眠っているのではないことは、ベッドの傍らに涙を流すタバサと二人の医師、そして神父が立って見守っていることでわかる。



「爺さん…会えたんだな…
ソフィーさんに会えたんだな…」

リュックは優しく言葉をかけながら、エリックの頬をそっと撫でた。


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