ルナがイエローと共に旅をしている間に色んな事が起きた。

クリスタルことクリスが、ジョウトの三人目の図鑑所有者となり、全ポケモンを捕獲して、塾の援助金を稼ぐ旅に出た。

それから、伝説のポケモンであるスイクンが、色んなジムリーダーの前に現れていたり。

そして仮面の男の野望は、一歩、また一歩と達成へと近付いていった。


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元ロケット団幹部だったマチスは、ロケット団が首領(ボス)であったサカキ無しに動いている事に不満に思い、調査していた。

そして調査していく内に、サカキや自分達元幹部に無断で行き場の無い団員達を集めて、新首領を気取っている人がいる事が分かった。

マチスはそれに対して腹立たしく思った。

だからムキになり、いかりの湖の側にある『いかりまんじゅう』と書いてある店に足を運んだ。

するとやはり、そこの地下には電力工場兼、にわか戦闘員養成所が構えてあった。

そこに出てきたるは新首領である仮面の男だった。

マチスは、デルビル達に囲まれ、吠え≠轤黷ス事によって動けなくなってしまう。

だが、元幹部、そして少佐を嘗めるな、というようにマルマインの自爆≠ノ紛れて逃げ出した。

「う…、く。ハァ…ハァ、オレさまのタフさをなめんなよ…」

いかりの湖の所にまで、ヨロヨロと戻ってきた。

そこには自分が止めておいた潜水艇があるからだ。

それにしても人間離れしたタフさだった。

「だが…あいつはヤベぇ…。あの一瞬、凍りつくような殺気を感じたぜ。ヤツに勝つには、もっと強いパワーが…必要だ…」

そう思い、両膝両手共に手に付け、四つん這いになって湖を見つめた。

すると、ポコン、という泡が湖から出ていた。

その一瞬だけじゃない。ボコボコと泡は絶える事無く続いた。

「なんだこれは? 湖から気泡が…」

もしかして、仮面の男が仕掛けた何かかも知れない。

だが、今、ダメージを受けている状態で追撃されたら、いくらタフな少佐でも御陀仏しかねない。

しかし、仮面の男達の情報を一つでも仕入れて起きたいのも事実だ。

どうするか……、そんなの、

「(フッ…)考えるまでもねえ!」

マチスは、ドカッ、と潜水艇に乗り込んだ。

大体、考え込んでしまうなんて、らしく無い。

乗り物で海の中へと入り、奥へ奥へと進んでいく。

すると、奥から光が差し込んできた。

「あの光は…!?」

光の先を見ると、そこには氷付けになった赤いギャラドスが横たわっていた。

「OH MY GOD!! 赤いギャラドス!?」

予期せぬ物に、英語混じりで驚くマチス。

「色ちがいのポケモンはその見に輝きをまとうというが…オレも初めて見たぜ!! しかも凍りづけとは…!!」

驚きながらをギャラドスを見ていると、ギャラドスの鼻辺りからゴボッ、という気泡が現れる。

あれは、ギャラドスの息だろうか。

「さっきの気泡はギャラドスの吐息だったのか。…てことは、死んではいねえようだが。
 この『いかりの湖』の別名は『ギャラドス湖』。こんな珍しい色のヤツがいてもおかしかねえが…、なぜ凍りづけに…。まさか、3週間前の大量発生に原因が?」

マジマジとギャラドスを観察していると、マリルがふよふよと泳いでくる。

マリルが水の中にいるのは、対して珍しい事では無いが、どうしてこんな深くに……、

目線でマリルを追っていると、ギャラドスの所まで行き、アクアテール≠ナ壊そうとし始める。

ガン、ガン、と。それでもなかなか壊れない。

オマケに、マリル自身はふらふらとしている。

それでも諦めずに、キッ、と氷を睨めば攻撃をし始める。

そして、急所に当たったのか、氷が割れた。

氷が割れれば、ギャラドスは目を見開いて、マチスに向かってくる。

「SHIT(ちいっ)!!」

とんだ悪戯鼠だ、とマリルを恨みながら、なんとかギャラドスから逃げる。

「くそっ!! これほどのヤツと水中戦ができるポケモンは、オレの手持ちにはいねえ!!」

なぜならマチスのエキスパートは、水では無いのだから。

「だが…!」

片手で操縦しながら、片手でスーパーボールを出す。

そこからは可愛らしい、とは御世辞にも言えないような悪の組織のポケモンらしいライチュウが出てきた。

「おまえの電気エネルギーを電気光線に変換する、この水中レーザーなら、ヤツと渡り合えるはずだ!!」

ボタンを操作すれば、水中レーザーが起動する。

ライチュウは変換する為に、両手を洗濯バサミのような物で挟んだ。

三年前に、少し違う物をある少年とのバトルに使ったものだが、今は思い出に浸っている場合ではない。

水中レーザーが潜水艇から飛び出す。

くらいな!!

今、放つ。という時に、ギャラドスは潜水艇に少しぶつかっただけで、先の方へマリルに連れられて行ってしまう。

「WHAT(なにぃ)!?」

少し先に行き、そこでマリルが手に足を使いながら何かを話せば、ギャラドスはすぐに「それ」に頭突きをした。

何度も、何度も。

マリルもまた、技を使って壊そうとするが、なかなか壊れない。

「あそこにも別の氷のかたまりが…」

最初、ただの氷の塊に見えた。

だがそれは、見えただけだった。

「氷の中に何かがある!! それを取り出そうとしているのか!?」

何度も、何度も、頭突きをしている後、ギャラドスは顔を歪め、倒れ込んでしまった。

それに対してマリルは、わたわたとし始める。

少し、泣きそうだ。

「力つきたか…。あたりめえだ! 自分も今の今まで凍りづけになってたってえのに…ムチャしやがる」

マリルは、耳を垂らしていた。

「逆に言えば、取り出そうとしていたものは、それほど大事なものってことか…」

ふらふらとしながらも、まだ、マリルは氷の塊を壊そうとしていた。

もう、体力は残っていなさそうなのに。

なぜそんなにも、頑張ろうとするのか。

「いや…待てよ!!」

先程の仮面の男の声が甦る。

『私をかぎ回る者は、みな同じ目にあう。3週間前もガキを3人ほど、いかりの湖に沈めてやったばかり』

まさか……、そう思い、先程電気エネルギーを電気光線に変換しておいた水中レーザーのボタンを押す。

レーザーは真っ直ぐに飛び、氷をだんだんと削っていき、そして  

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