お姉ちゃんへ

最初ジョウトに行け、なんていきなり言われて、物凄く驚いたのを今でも覚えてる。
ジョウトはあまり良い想い出が無かったかばかりか、むしろ苦い想い出しか無かったから。
お姉ちゃんを恨んでしまいそうなんて、出来るはずないのにあの時はそう思ってしまった。
でも……今では、この旅路を歩んで良かったと思えるよ。
自分で言うのもアレだけど、私の性格って捻れ曲がってるから、それを全て含めて私という人間を愛し、受け入れてくれる人なんて存在しないと思ってたんだ。
だから敬語なんて誰にも使えなくて、他の人達に反発食らってた。
人間の私が言う資格なんて無いかもしれないけれど、人間が、特に大人が嫌いな私は生意気だったね。
人付き合いなんて嫌いで、家に引きこもっていた私。強がっていても、弱い私。
それが、お姉ちゃんがジョウトへと私を旅に出したおかげで、大切な人達が出来たんだ。
その人達の影響で、自分を変える事が出来たんだ。
自分の心を奮い立たせてくれる大事な「兄弟」であるポケモン達も増えた。
それは間違いなく私の成長を意味するんだと思う。
相変わらずあまり人には正直になれないけど、それは許容範囲であって欲しいな。
多分この手紙自体も、渡せる日がいつやってくるのかわからない。
正直、今これを書いている時も渡せるかどうか不安でしょうがないんだけど。
いつかは渡したいとは思ってるんだけど、なんか、渡しにくくて。
渡せる日が来ると良いな。
そうそう、「レッドくん」とはどう?
別にどうもしなくて良いけど、いやむしろどうもしないでいて欲しい。
「リュウくん」って言うヘタレなストーカーに気を付けて。あれはタラシよ。
髪も心もツンツンしてる男は……まぁ、いいわ。最近音沙汰ないし。
もう少し私に構って欲しいな……。なんて。
私ね、お姉ちゃんが「お姉ちゃん」でいてくれて嬉しいんだ。
ありがとう。
今改めて感謝の気持ちを伝えたかったの。
長くなったけど、ここまで見てくれてありがとう。
じゃあね。


リナより。



忘れがたい旅路
(私の一生涯の宝)


20130413

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