【OK】
テーブルに上がっている料理を一瞥するが、どれもルナの好物ばかりだった。
それを思うと目頭が熱くなったが、妹に涙を見せたくないので振り払う。
鮭のホイル焼きは骨が無くて食べやすかった。身が柔らかく、口に入れると自然とほくそ笑んでしまう。
豚味噌ステーキは歯応えのある焼き加減で、それでいて噛みやすかった。
美味しい。美味しい……が、和洋折衷を通りすぎた品揃えだった。バランスが全く合っていなかった。
魚、肉、野菜。
それぞれの好物なのは分かっているのだが……。
「美味しい?」
「ふぇ!?
「………良かった」
余程心配だったのか、明らかに不自然な対応にも気にしないで嬉しそうに自分も食べ始める。
少し、いやかなり心が痛くなった。
【NG】
魚、肉、野菜。
それぞれの好物なのは分かっているのだが……。
「美味しい?」
「ふぇ!?
「………良かった。惚れ薬には気付かれ無かったか」
「はいカットカット。何よ惚れ薬って」
「飲むと一番初めに見た人を好きになる薬ですが、何か?」
「はい撤去」
「ちょっ、ブルー監督! 貴女は人が丹精込めて作った惚れぐす、もとい料理をいとも簡単に捨てるなんて鬼か!!」
「何が丹精込めて、よ!! 下心ありありじゃない!」
「でも作った物には変わり無い」
「てめえ、外出ろや」
「望む所だ」
「おかわりー」
『完食!?』
「でも惚れ薬効いてないみたい」
「ちっ、少なかったか。もう1回」
「いい加減にしろ」
【OK】
「……」
それにしても、とまたため息を吐いた。
何故、言わなかったのだろう。
「やっぱり……行っちゃうの?」
……と。
姉の前では平然と振る舞ったが、寂しくないわけが無かった。
ましてやリナはルナより更に子供だった。精神年齢は置いといて、だ。
それに、リナはルナが大好きだった。ルナと出会った、あの時から。
あの時の事を反芻すると心が暖まる気がした。
【NG】
姉の前では平然と振る舞ったが、寂しくないわけが無かった。
ましてやリナはルナより更に子供だった。精神年齢は置いといて、だ。
それに、リナはルナが大好きだった。ルナと出会った、あの時から。
それはもう好きで好きでたまらなかった。よだれがでる位に。
あの無邪気な笑顔とか堪んない。襲いたくなる感情を押し殺す。
ルナの事を考えると息が荒く
「はいストップ
「何か」
「何か、じゃないわよ!! キャラ崩壊過ぎるわ!!」
「こういうキャラですが、何か?」
「うん、その方が凄く厄介!」
「厄介なのは貴女よ。ルナに近寄らないで」
「面倒臭い! アンタからツンデレ抜いたらただのシスコンだわ!」
「褒め言葉として受け取っておくわ」
「キイイィィィ!! アタシ監督止める!」