ふよふよと黒い雲がゆっくりと移動する。

「そろそろ島の反対側ね」

中にさしかかると、そこは鍾乳洞のような内装だった。

奥は暗く、なんだか不気味な雰囲気を醸し出していた。

「あそこやな」
「……中まで行ったのかしら? タッちゃん! でもあそこに侵入するのは危険だわ。少し様子をさぐらないと!」

その時、ブルーの腰のボールが揺れた。

「ピクシーやないか」
「このピッくんはとっても耳がいいの。何か…聞こえたのね」
「ピクシーは耳が良くて、一キロ離れた所で落とした針の音を見事に聞き分けられますもんね」
「そ。イエロー!」
「ハイ!」

こくりとうなずき、ピクシーが入ったボールに手をかざした。

すると、ほのかに光り輝いた。

「人の…声。人の声が聞こえたみたいです。そしてこのピクシーの表情。おどろいているけど、おびえてはいない」

ルナが見ても、ピクシーの表情は驚いているようには見えなかった。

「…知っている人なんだね!?」

肯定の意志として、こくりとうなずいた。

知っている人……戦意のある者では無い、味方である事はわかった。

だが、そうなるとそれは一体誰なのかがわからない。

「行ってみましょう!」

四人はプリンの気球から降りて、中を進んでいった。

しばらく進んでいくと、先の方に人影が見えてきた。

そのシルエットは、ルナも見た事のあるものだった。

「こんにちは」



近づく四天王戦の足音
(耳を塞ぐことも出来ない)

20130203

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