「サン、切り裂く=I ゴンちゃん、絶対零度=I チュカ、雷=I」

ロケット団へ攻撃を仕掛ける。

まぁ、ぎりぎり当たらないように微調整してはいるが。

しかしロケット団にとっては真面目に危ないように感じる訳で。「覚えてろよ!」と典型的な捨て台詞を吐いて逃げていった。

フリーザーに向き直ると、またフリーザーはルナを見つめる。

また先程と同じような状態になる。手は汗でベタついていた。

(やっぱり私フリーザーに会った事がある気がする!)

そう思い、拳を強く握ってフリーザーを見つめ返す。

「貴方は……、私に会った事が……?」

震える声を必死に抑えて、フリーザーに尋ねる。

だが、フリーザーは一礼だけして去ってしまった。

「………行っちゃった」

仕方無いか、と溜め息を漏らす。すると、ポケモン達が心配した様に顔を除き混んでくる。

「……進化したんだったね」

サンドパンとジュゴンを撫でる。

サンドパンは以前より硬い皮膚に包まれ、背中には茶色のトゲがあり、撫でる時には注意しなくてはいけない。

しかし、以前と変わらず人懐っこい性格は変わらずな様だ。ただ、以前よりも鋭い爪になったため、じゃれてくると危なくなった。

ジュゴンは以前より艶やかで美しい真っ白な毛で覆われ、目が大きくなった。なんだか少し大人っぽくなった気さえする。

しかし、以前と変わらず純粋無垢な表情は変わらずな様だ。ただ、以前よりも重くなったため、のしかかられると窒息死になりそうだ。

ピカチュウは……進化していない。

しかし、以前よりもお姉さんな風格がある。やんちゃなポケモンが多いため、必然的にそうなるのだろう。

ただラッキーも世話焼きのため、ピカチュウの負担は軽くなっただろう。

ついでにイーブイもお姉さんな方だ。

「六匹揃ったんだなー、って改めて思うよ」

旅の始まりからタマムシまでずっとピカチュウとロコンだけだったのが懐かしく思う位だった。

ルナは残りの三匹もボールから出す。

「これから色々あると思う。楽しい事、悲しい事、苦しい事。本当に……色々。
 でも、このメンバーでならきっと乗り越えられる! 私はそう、思います。
 ……これからも私に着いてきてくれる?」

そう、心配そうに目配せする主に、ポケモン達は勿論というように抱き付く。

「これからもよろしくね、皆!」


旅路を経た進化
(頼りない私に着いてきてくれて)
(……………ありがとう)


20121118

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