三日間の間で仲良くなったグリーンのポリゴンがルナの足をつついてくる。

不思議に思いポリゴンを見ると、丘を見るように合図をしてくる。

素直に丘を見ると、光っているのが見える。

遠いが、何かが何かと戦っている事だけはわかった。

とにかく丘を行こうと、グリーンのポリゴンをボールに戻し駆け出した。


* * *



丘の上では、レッドとグリーンが合流しているところだった。

ゴーリキーが炎の餌食になってしまっていた。

「オレのゴーリキーを殺す気か!」
「グ…グリーン!?」

レッドがグリーンの方を見ると、足元には電気鼠が二匹。

「お…おまえこそ! オレのピカとルナのチュカがボロボロじゃないか!!」
「む…」

グリーンはレッドに意を突かれ、押し黙るしか無かった。

それに対してはぐうの音も出ないのだろう。

「とにかく! ゴーリキーをなんとかしろ!」
「…っていったって」

その時、ゴーリキーに異変が起きる。

体がメキメキと音を立てて、姿を変えていくではないか!

なんとそんな時にルナが丘の上へと到着した。

「! カイリキーに進化した!!」
「うええぇ!? キュウコン!? ロコ!?」
「ああ、もう! ルナは黙っててくれ! 話がややこしくなる!」

二人がボールを投げている時、ルナはのの字を書いていた。

なんと子供っぽい  実際子供だが  のだろう。

しかしこの後の二人も充分、子供っぽかった。

キュウコンの取り合いをしている。

そんな光景を見たルナは、

「子供っぽいですね〜」
『お前(ルナ)だけには言われたくない!』
「む、失礼な〜」

それが充分子供っぽいのだが。

本人は全く自覚していない様で、頬を膨らませて腕組みをしている。

結局、キュウコンはグリーンが持つことになったらしい。

グリーンが手に入れた美しい白い毛並みキュウコンを見て、ルナはロコもこうなるのかと胸が高鳴った。

レッド、グリーン、ルナの手持ちは元に戻る事ができた。

ちなみに、ルナのポケモンはピカチュウとロコンがグリーンのもとに、サンドだけがレッドのもとへと渡っていたらしい。

グリーンは、レッドとルナから自分のポケモンを返してもらうとすぐにその場から去ってしまった。

その後に妙に目付きが優しくなったポケモン達に、疑問を抱く事になるのだった。

レッドとルナは、

「それじゃオレたちも行こうぜ! めざすはサイクリングロード!」
「おー!」
「出発だ! ピカ…」
「出発です! チュカ……」

レッドとルナがポケモン達に振り返ると、目付きが悪くなったポケモン達がそこにいた。

特にピカチュウの目付きの悪い事悪い事。

「うわあ〜! あんなヤツの目つきマネすんなよ〜。グリーンのヤツ、オレのポケモンに何をしたんだ〜!?」

あ、と思った時には遅く、レッドは自転車で走り去っていった。

「ちょっと、レッド君〜」

涙ぐみながらだんだん見えなくなる背中に言うと、ピカチュウ達は不思議そうにルナを覗き混んでくる。

グリーンの目付きのまま。

「やっぱりこんなチュカやだ〜」

と言ってルナは涙を流しながら、走っていってしまった。

そのポケモン達はルナを必死に追いかける。

正直、追いかけてこないで欲しい。

「グリーンさんのバカ〜!」


人生は助け合い
(でも何で助けてくれたんでしょう?)


20121031


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