if〜ルナ×リュウ



リュウは健全な男の子である。

いや、確かにたまに女装したら可愛いよね、なんて言われるがれっきとした男である。

何が言いたいか、と言うと詰まる所最近付き合い出したルナとあんな事やこんな事をしたい訳である。

流石に既成事実はまだ早いので、接吻をしたいと思った。

「あ、あのさ、ルナ……」
「はい、なんでしょう?」

振り返ったルナのポニテがぴょんこぴょんこと揺れた。

いつもはサイドテールでは無いか?

よくぞ聞いてくれた。実は今、ルナは珍しくポニーテールなのだ。

天然記念物並みにリュウは重宝していた。

この記憶を来世にも……、的な勢いでルナのポニテを食い入るように見つめている。

今は部屋に二人だけ。あのシスコン少女も留守にしている。

今なら言える気がした。

「き、き、き、き……」
「き?」
「き、キツネうどんのキツネってどこからきたんだっけ……!」
「あぁ、キツネが好きだと言われている油揚げが乗っているからですよ」
「あ、あぁ、そうだったな……」

そうひきつった笑顔を浮かべながら、心の中で自分をこれでもかというほど責めていた。

(オレの阿呆〜〜〜〜〜っ)

恥ずかしくて言えないんだったら、さりげなく自分からすればいい。

そう考え、破裂しそうな心臓を抑えてゆっくりとルナの唇に、自分の唇を近付けた。

幸か不幸か、本に目を落としているルナは気付かない。

あと五センチ。

4……、

3……、

2……、

後、一センチ。

その時だった。

リーン、ゴーン。

三時を告げる時計の金が鳴り響いた。

「あら、おやつの時間だわ」

そんな、どこかで聞いた事のあるフレーズを口にしてルナは立ち上がった。

勿論、リュウはその場に崩れ落ちた。

「なんでだー」とか「ベタすぎるー」だとかウンウン唸っている。

ルナはそんなリュウに疑問符を浮かべながら、おやつを持ってくる為に一歩ふみだした──が、何か思い出したような仕草をしてリュウに向き直った。

かと思った時、口に柔らかいものが触れる。

「……え」

我に返り、ルナを見ると、ルナは赤い頬をして悪戯っ子に笑った。

「ちょっと待っててね、あなた」

今、死んでも悔いは全く無かった。



────

ヘタレリュウ。

書いてて凄い楽しかった(笑)

リナはこの後何かあった事に勘づいてリュウをボコボコにするでしょう←

ifシリーズ終わりっ。

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