if〜レッド×ルナ
「私、やっぱりレッドと別れようと思うの」
「なっ、何で!?」
背を向け、悲しそうに目を伏せた彼女に、レッドが納得いかないというように身を乗り出す。
「だってだって、私とレッドじゃ、釣り合わないよ!!」
「そんな事ない!」
思い直せ、と目で語るレッドの赤い瞳は、強い光を持っていた。
思わず唾を飲む美しさだ。
「だって」
少しためて、大きく息を吸った。
「レッドはかっこよくて、誰もが憧れるヒーローで、ニッコリと笑った笑顔も素敵だし、それに汚れない心を持っていて優しいし、バトルも凄ーく強いし、戦う者だし、かっこいいし(二回目)、女の子にも人気だし、やっぱり釣り合わないよ!!」
早口でつらつらと長文を言って少し息を吐いた。
レッドが少し嬉しそうにしながらも、目を吊り上げた。
「お、オレだってなぁ!」
レッドはルナ以上に思いっきり息を吸った。
「ルナ凄く可愛いし、笑った顔なんて向日葵みたいで可愛いし(二回目)、頭良いのに気取らないし、むしろ優しく勉強とかポケモンの事とか教えてくれるし、バトルになると人が変わるのもかっこいいし、真っ白で汚れが無くて真っ白な服とか超似合うし、ルナモテモテで妬いちゃうぐらいモテモテだし、あ、それから博士の研究手伝ってて偉いし、凄く可愛いし(三回目)!」
言い切った後、当然ハァハァと息切れしている。
ルナはうるりと瞳を湿らせた。
「レッド……」
「ルナ……」
それを見ていたブルー、リュウ、リナ、そしてグリーンでさえ砂を吐きそうだった。
「ケンカすんのか、イチャイチャすんのかハッキリしなさいよね……」
「もう殺気も起こらない……」
ブルーは苛立ち目に言い、リナはげんなりとして言った。
もう何も言う気も無いリュウとグリーンだった。
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レッド×ルナ
結果、イチャラブコンビになった。
これはダメだ。
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