「グリーン。どこ〜?」

私はトキワジムの中に入り、そこのジムリーダーであるグリーンを探していた。
困ったなぁ。グリーンの本を返したらすぐにブルーちゃんの所に行く予定なのに。

おろおろと私が困っていると、それを察してかグリーンのポケモン達がやってきてソファを指差す。

「ソファにいるの?」

私がそう聞くと、ポケモン達はコクコクと首を振った。
この子達って見た目ゴツいけど、動作がほんっとに可愛い!

にっこりと「ありがとう」と言うと、ポケモン達は照れたような顔をする。
うわあ、そこもまた可愛らしい!
私はにやにやとする顔を抑えて、ソファに近付いた。

ここから見えるのはソファの裏の為、覗いてみないと見えない。
私はひょっこりと顔を覗かせた。

「やっぱり寝てた──って!」

思わず顔を真っ赤にして後ずさる。

な、なによこの反則的な可愛さは……!
グリーンの寝顔は、普段の目付きの悪さとか仏頂面とかじゃなく、子供のような寝顔だった。

私はあらためてソファの向かいに言って、グリーンの寝顔を見る。
ああああ、やっぱり可愛い!

さっきはポケモン達に可愛いと言ったけど、グリーンの寝顔はそんなの非じゃなかった。
こう、母性本能をくすぐられるというか、なんというか……まぁ、そんな感じよ。

気がついたら手を伸ばしてグリーンのほっぺたを突っついていた。

うわっ、柔らか……! ふにふに〜!

──っと、こんな事したら起きちゃうか。
私は、自分でも思わぬ行動に出た。多分テンションが上がりすぎてやっちゃったのよ。

パシャ。

私はなぜか写真を撮っていた。
でもグリーンの可愛い顔とか珍しいしレアだし可愛いし。
後、ブルーちゃんが私の頭の中で悪魔の囁きを言ったから……。

「オイ。何を撮っている」
「──ッ!?」

どきっ、と心臓が跳ねあがる。
恐る恐るグリーンを見ると、さっきの可愛い寝顔はどこへやら。凄い顔で睨んでいた。

「や……、天然記念物を、ちょっと」
「嘘をつけ」

嘘はついてないよ!! ほんとに! グリーンの可愛い顔とか天然記念物よ!?

そう主張すると、グリーンは深い溜め息を吐いた。
そして、カメラを取りあげた。

「ちょっと! 何すんのよ!! 私の家宝にするんだから!!」
「そんなものにするな!」

グリーンは腕をあげて私からカメラを遠ざける。
私は猫じゃらしで遊ぶ猫の如く、ぴょんぴょんと跳んでカメラを取ろうする。

「かーえーしーてー!」
「ダメだ」
「わかったわ! じゃあ私グリーンと結婚してその寝顔を私のものにしてみせる!!」
「なっ!? 何を言ってるのかわかってるのか!?」

私はとにかくもう一度、いやもう百回位あの寝顔を見たいのよ!!
その時、グリーンがぽそりと言った。

「もう少ししたら、な」
「へ?」


貴方の寝顔
(え、それは結婚するという?)
(………あぁ)


ほのぼのというより優しい感じにしたかったけどそうならないのが私クオリティよ!
絶対グリーンの寝顔は可愛い、というのとグリーンのポケモン達の動作が可愛いというのをアピールしたかったのさ!

20121229
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