short | ナノ


 
ぽかぽか陽気な春の日の午後。
眠たくなりそうになる日暮れ、なまえは思わず欠伸をこぼした。

「ふあ〜」

まだ帰り道の途中だ。しかも自分の住むトキワシティまではまだ距離が少しあるトキワの森。
トキワの森は広い。すぐに家に着くとは思えない。

少し悩んで、なまえは丁度良さげな場所を選んで休息を取ることにした。

「ん、あそこが良いかな」

陽射しが暖かく射している大きな樹の下。
あそこならすぐに眠れそうで、尚且つ野生のポケモンも襲って来なさそうだった。

まぁ、少し心配なので護身用にバタフリー(♀)を出して、ポケモンが襲ってきたら倒して貰うように頼んでおく。

「……! 先客がいたか!」

樹の陰を覗くと、なまえの隣に住む少女  イエローが静かに寝息をたてて眠っていた。

「やれやれ。ポケモンに襲われる事も考えずに、危なっかしいなぁ」

しかし、思わず微笑んでしまうイエローの寝顔に、怒る気にはなれなかった。

今のイエローは、いつも被っている麦藁帽子を膝元に置いて、綺麗な金髪をさらけ出していた。
その髪が太陽の光によってキラキラと輝いていて、眩しい位だった。

なまえは自然と、イエローの隣に座っていた。

すると、イエローはピクリと動いたかと思えば、ゆっくりと目を開いた。

「ん……なまえ、さん……?」
「あぁ、ごめん。起こしちゃった?」
「いえ……あの……」

まだ寝惚けているのか、なんとなく口調がふにゃふにゃとしている。

突然、イエローの腰のボールからバタフリーが出てきた。
なまえのバタフリーとイエローのバタフリーは、可愛らしく寄り添い始めた。

見ているこちらが恥ずかしいほどのいちゃつきっぷりだった。

「しょうがないな、バタフリーは」
「なまえさん」
「あー、はいはい?」

こてっ。

名前を呼ばれてそちらを見れば、イエローはなまえの肩に寄りかかって眠ってしまっていた。
人工ではない、自然の良い香りがなまえの鼻をくすぐった。

(……しょうがないな、イエローも)

ふっ、となまえは優しく微笑んだ。

(まぁ、いいか)

二人は互いに寄り添い合って、深い微睡みの中に落ちていった。


青い空の日に
(外で昼寝も悪くない)


夢主のキャラが微妙すぎる。
バタフリーのいちゃつきは、アニメでサトシのバタフリーとリボン着けてる可愛いバタフリーのカップルが好きだから書きました。
イエロー可愛いよイエロー。

title by ひよこ屋

20130321



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