「さあさあよってらっしゃい!」 アタシは今日も立ちよった街で、インチキ商売をしていた。 ニセ道具を敷物の上に広げて売り付ける。勿論、ニセ道具達はアタシ特製。 こんな事して楽しいかと聞かれると、返事はNO。楽しい訳が無い。 でも、こうでもしなければ生きていく手段が無いもの。仕方ないの。そこのところ、売り付けられたお馬鹿な人たちにわかって頂きたいものだわ。 だいたい、騙されるほうも騙されるほうだもの。 こんなところで子供がポケモンアイテムの大バーゲンなんてやるわけ無いじゃない。 皮肉にも営業スマイルは得意で、そのおかげでもあるのかもね。 今日も私の掛け声のもとに集う人だかり。 とことん売り付けてやろうと、顔をあげてお客さん達を見ると、ある一人の少女に目がいった。 沢山人が集まっているのにも関わらず、なぜかその子だけ違う次元にいるかのように、そこだけしか見られない。 その子は、他の人達と異形だった。他の人達はニセ道具達を見つめているけど、その子はアタシの瞳しか見ていない。 まるでアタシのニセの道具、ニセの笑顔、ニセの感情を見透かすような鋭い目。 な、なんなのよ……? アタシは口を開かずに、冷や汗だけをかいていた。 何も言わずに全く広げたアイテムを売ろうとしないアタシに愛想をつかせたのか、お客さん達は散り散りに離れていった。 しかし、その子だけはそこに残っていた。 何、アタシのインチキ商売にケチをつけるき? そう言いたくとも声が出ない。 怖い。足がすくむ。頭の中が冷たくなっていく。 その子は依然としてアタシの瞳を強い目で見ていた。 アタシのインチキ商売を見破ったの? アタシの作り笑いが気に入らないの? それとも、アタシを哀れんでいるの? そして、アタシの過去も── そんな事他人のその子が知るはず無いのに、その子の瞳に見つめられると、そんな気がしてきてしまう。 アタシはこの恐ろしい瞳の束縛にいつ解放されるのだろう── 囚われて動けない う〜ん……。シリアスとかダークを目指したんだが、う〜ん? というか名前変換使いませんでしたね(笑) こんな出来だがブルー姉さん愛してるよー! title by ligament |