オレはなまえの事が好きである。 もう、それは抑えきれないものになっていた。 今すぐにてもこの気持ちを吐き出したい。そんな気分だった。 今日こそは想いを告げようと、オレはなまえを呼び出した。 なまえにココアを入れている時、なまえは神妙な面持ちでぽそりと呟いた。 「最近、レッドと居るとなんか変なんだよね」 「え!?」 変とは、つまり、どういう事だ!? オレはなるべく表面はグリーンのようにポーカーフェイスを保ち、心では災害が起きた時のようにバタバタと暴れていた。 「変って……どういう……?」 恐る恐る尋ねると、なまえはうーんと唸った。 「変、って言うかさ。なんか落ち着かないんだよね」 落ち着かない? オレと居るのが楽しくないんだろうか。 ココアをなまえの目の前に置いて、真ん前の方の床であぐらをかいた。 「レッドを見てるとさ、どうしようもなく苦しくなるんだよね」 「ふんふん。……へ?」 何だかつい最近、オレの身にも起こった事がなまえの口から飛び出す。 「凄い、無性に胸が喧しい位鳴るんだよ」 「……あ、あぁ」 いやいやいや……え? 予想外すぎる出来事に、オレはパニックになっていた。 「こう……なんて言うか、切なくなってさ、しょうがないんだよ。でも、それでもレッドの事を思い浮かべなきゃ気が済まなくて」 「……うん」 それは、全くオレと同じ状態じゃないか。 オレは苦笑いで相槌を打つ。 これは自惚れても良いのかな……? 「レッドの赤い瞳を見つめてると、吸い込まれそうで」 「……」 「他の女の子と話してると無性にイラッとくるし」 「……へ、へぇ?」 意外すぎる話だった。 それにしても、さっきから「うん」とか「へぇ」とか「ほぉ」としか言えない。 何かリアクションを考えていると、いきなりなまえがテーブルの上から身を乗り出してくる。 「これって……病気かな!?」 いや、ある意味で病気だと思うぞ。その鈍感さは。 「病気、では無いかな?」 その鈍感さを除いたら。 なまえはたちまち顔を明るくした。うっ、可愛い。 「そっか、病気じゃないのか! あれ、でもそれだとこの現象は何だろ?」 とうとう抑えきれなくなり、オレはそのなまえに起きている現象を言った。 「それは──」 人はそれをなんと呼ぶか (恋、だ!) (こ、鯉……?) (そっちじゃない!) 物凄く鈍感な女の子とレッド。 レッドのキャラがなんか違うorz title by 累卵 |