「あなたは何度言ったら理解できるのかしら!」


 回復魔法をかけながらもの凄い顔で先生が怒っている。というのも、私がしょっちゅう怪我をしているから先生の堪忍袋の尾が切れたのだろう。


「…でも掠り傷だもん」


 反省の色を見せない私に先生はもう、と息を吐き、むっとした表情を顕わにした。


「掠り傷とあなたは言うけれど、傷口から細菌が入ったりしたら危ないのよ?分かっていて?」


 先生は心配して言ってくれているのがよく分かる。真剣な瞳がこっちを見つめているんだもん。
 はぁい、と間抜けた返事をすれば、呆れ果てたような先生の溜め息。


「もう! 次からは本当に気をつけること。よろしくて?」

「わかってまーす」


 手をあげて元気にお返事。返事は結構ね、と先生が笑う。ありがとうとお礼を述べてから先生に背を向けて、舌を出す。


「怪我なんて、やめてやらないんだから」






(だって先生の手当て受けたいんだもん)


title:ミッドナイトブルーに恋をした、


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