マク・アヌでよく見かける彼の名前は、クーンというのでした。いつも女性PCを連れてフィールドを歩き回る彼が、少女にはどうも軽薄な男にしか見えませんでした。
* * *
「ちょっとそこのお嬢さん」
「……わたし?」
「そうそう」
ぱたぱたという軽快な足音と共に現れたのは、紛れもなく、クーンで。マク・アヌで時折すれ違う以外に大した面識もない彼に、どうして呼び止められたのかが分からず、ハルは首を傾げる。
「名前、教えてよ」
「ハル、です」
にこりと快活に笑うクーンに、ハルの僅かに怪訝そうな表情も少しだけ和らぐ。ハルが躊躇いがちに名前を告げると、素敵な名前だ、と彼は余計に顔を緩めた。
「よくマク・アヌですれ違うよな?」
「そう…ですね」
このひとの笑顔はひとを笑顔にする、ハルはそんな気がした。だからいつも彼の周りには、人(専ら女性PCだが)が集まるのだな、と思う。そんな彼に、ハルは小さく微笑んだ。
「あ、いま笑っただろ?」
「……別に、あなたが変だったとか、そういうんじゃなくて、」
「クーン」
弁明しようとするハルを遮ってクーンが名前を告げる。そう言ってにかっと笑うクーンに、ハルは躊躇いがちに彼の名前を呼ぶと、彼は顔を緩めた。
「よろしくな」
「……はい」
ハルは、差し出された手をきょとんと見つめてから、クーンの意図を察してそれをそっと握り返した。
(ヴァーチャルの世界で、確かな体温を、感じた)
▽
というわけで何を思ったかクーン夢。
需要なんてしらない。ちょっとばかり書いてみたかっただけです(笑)
連載などはまだ、ゲーム自体をvol.1までしかやってないので全然、やろうとかは考えてませんが、夢主だけ考えてたりします。夢主を考えるのが好きなだけですが^^;
連載しても相手が、なー…ハセヲはアトリと志乃だし、エンデュランスはハセヲと結婚できるらしいし…ん?シラバス!シラバスなのか!←
とか語ってみたかっただけです。お粗末様でした。