吸血鬼パロ(ゼロス)
( 10/02/27 02:27 :小咄)

こん、こん、と単調なドアを叩く音で目を覚ます。こんな夜中になんだろう、と億劫な体を叱咤して身を起こす。

「だ、れ…?」

直感としか言いようのない恐怖心からか、ドアノブに手をかけることが躊躇われた。扉の目の前で掠れた声で尋ねる。

「俺さまだよ、俺さま」

「…ゼロ、ス?」

扉の向こうで「そうだよ、だから開けてくれ」とゼロスの声が聞こえた。

(開けちゃ、いけない…?)

本能的にはそう思うのだが、感情がそれを許さない。嬉しさにも似た気持ちで扉を開ける。
そこには案の定、ゼロスの姿。

「開けちまったん、だな…」

「…っ、どういう…?」

疑問を口にするも、その答えは分かっていた気がした。ゼロスから異様な雰囲気を感じて、一歩、また一歩と後退る。

「もらうぜ?」

「な、にを…?」

がっ、と引き寄せられて顎を持ち上げられる。その仕草に、形容し難い感覚が体を走る。

(あまい? …ちがう、こわい)

喉元にゼロスの吐息がかかって、それから…

「お前の、血をだよ」



(これは、きっと一夜の夢)
(そう、思うかい?)



非常にサーセン/(^o^)\

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