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ため息が聞こえた。スピーカーの向こうから。


《さっきまで普通だったのに。どこで不安スイッチ入れたのよ》


@@はからからと笑っていた。こっちがこんなに真剣なのにこのお調子者。今夜覚悟しとけよ搾り取ってやるからなと赤司は目を光らせる。


「別に不安がってはいない。ただの確認だ。お前は口に出してくれないからね」
《お前が俺って言うとき大抵怒ってるか不安がってるかじゃん》
「…仮にそうであってお前はどうする?」
《口に出せばお前は満足か?》


試すように@@は質問を質問で返してきた。
ほら見ろ娘よ。お前が小馬鹿にしている男はこうも自分をたじたじにさせてくる。
ぶすくれた顔で黙りこんでいたら@@が爆笑し始めた。どこかを叩いて笑っているらしく笑い声に混じってドンドンバンバン音もする。



「…@@…命が惜しくないようだな」
《だってアッハハ!!征華みたいだなと思ってー子供だなー!》
「…うるさい」
《ハハッ、バカだな。征十郎》



いつも自信満々のくせに。


《俺はお前がいいって言っただろ》


自信なんて@@の前じゃあ意味なんてないと思うわけだ。
全部粉々にぶち壊すし、不安もろとも全部。



「…帰るよ」
《はあ!?仕事は!》
「このまま出来ると思ったか?」
《やろうと思えば出来んだろ》
「僕に@@より仕事を優先しろと?無理を言うな」
《逆だな、普通な》



呆れているくせに「買い物一緒に行けよ」と言うこの男は自分の甘やかし方を心得ていると思った。
予定を変更して、玄関先で@@を押し倒そうと思う。


余談だが、赤司が予定を有言実行して夕方までしけこんでいたら娘のお迎えの時間に差し掛かってしまい二人揃って慌てて家を出たのは別の話。



「あー焦った…」
「遅いよう。でも今日はかあさまいるからいいやー」
「@@が離してくれなくてね」
「余計なこと言うな!」
「さっきね、せんせいたちがとうさまいけめんだよねって話してたよ」
「へえ…征華、どの先生だ」
「征十郎角しまえ」



愛が誠



まさかの子供ネタですいません…!!
コメントいただいてから赤司ならで…できそう…と思ってしまったのがことのはじまりです。かかあ天下に見えて実は亭主関白。おじいちゃん出せんかった
お読みくださりありがとうございます!

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