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「おいマネージャー!部室誰も入れんなよ!」
「別にいいけど、部室汚すのやめてよねーあたし掃除しないから」
「汚すようなことしねえよ!」


そのまま@@は部室に黄瀬をぶちこみ、自分も続いて入ると後ろ手に鍵をかけ長い長いため息をついた。


「あ、あの…」
「で、何が目的だよ黄瀬」
「目的っていうかええ!?気付いてたんスか!?」
「気付かない方がおかしいだろバカかお前…」


@@は心底呆れ返っていた。


「いつから…?」
「角でぶつかりそうになったときから」
「最初ッからじゃないスか!!」
「あのねえ、俺はお前らを見た目で判断してないの」
「そ…それなんか照れるッス…」
「照れるとこじゃねーから」



話戻すけど何が目的、と@@が切り出す。新手の遊びを思い付いて、それに無駄に反応していたら思う壺かと放っておいたはいいものの、このままじゃややこしくなる。
黄瀬はぺたんこな胸を見下ろし、蚊の泣くような声で呟いた。


「@@っちが…胸のおっきい子が好きって話してたから」
「ちっちゃいじゃんお前」
「そんなハッキリ言わなくてもいいじゃないッスかああ!!俺だってこんなちっちゃいとは思わなかったんスよ!!」
「ならおっきいのに化ければよかったのに堀北マイとか」
「別人じゃ意味ないじゃないッスか…」


@@に意識してほしいのは堀北マイではなく自分だ。


「@@っちの願いを叶えてみたかったんス、出来れば、元の俺に近い形で」


女であれば。胸があれば。@@理想に近付けるかと思った。
本来の自分でないことに一抹の虚しさは感じるが、@@が喜んでくれるならそれでいいと。
それを聞いた@@はまたため息をついて、黄瀬は唇を噛み締める。
女に変化すると意識まで近いものになるのか、女々しい思考に陥った黄瀬の目には涙が浮かんでいた。


「さっきも言ったけど、俺は見た目で判断しねえの。いいだろ男でも女でも…胸があってもなくても…」
「だっておっきいほうがいいって言ってたじゃないスか」
「あくまで好みの問題だろ。女かてめーは」
「今は女ッスよ」
「どうでもいいわ」


@@は苦笑しながら黄瀬の目尻に浮かんだ涙を指で拭った。
黄瀬がはにかんだのを見て、@@は口角をより上に上げた。

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