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ある都市伝説のパロディーです。
一応ホラーですが別にそんなことないいつものテンションです。







「いやあ笑っちゃったわ」


@@は今にも爆発しそうな笑いを必死に堪えていた。電車内で大声をあげて笑い転げてしまうのは周りの乗客の迷惑になってしまう。
右隣に座る高尾は今さら堪える気もないようで小さくけらけらと笑い続け、左隣の緑間はうんざりした顔で項垂れていた。


「全米が怯えた!とかいうから超期待してたのにな〜」
「所詮はB級ってことだな。臓物ぶちまけりゃ怖いってわけじゃねえのに」
「いやあれはマジ笑った。派手すぎて」
「高尾超笑うんだもん。俺めっちゃ我慢してたのに!」
「ごめんって〜!」
「あそこで爆笑するお前らの気が知れないのだよ」


映画なんか行かなきゃよかった。緑間は巨大なスクリーンいっぱいに写し出された脳髄ブシャー!臓物バーン!なグロテスクな映像を思い出しては必死に吐き気を耐えていた。

映画のチケットあんだけど行かない?と@@に誘われたときはそりゃあもう嬉しかったのだが、喜びすぎて映画の内容をよく聞いていなかったのが敗因だ。
映画館で丁度同じ映画を観る寸前だった高尾に鉢合わせただでさえテンションが下がっていたのに、映画でとどめを刺され緑間は心身ともにグロッキー。



「"ダメよマックス!外に出たら…!"」
「"でも助けなんていつまで経ってもこな"……ブフォ!」
「やめろ高尾笑うなっ…!!!」
「ごめ…!無理…!!」
「やめるのだよいい加減」


しまいには映画の再現を二人でおっ始めてしまい、緑間は休まる暇がない。気分転換がてら窓の外を見れば外はすでに真っ暗。しまった家に遅くなると連絡を入れていない。
急ぎ緑間は携帯で家のものに連絡を入れようとしたが、電波があいにくの圏外。顔をしかめた。おかしい、トンネルの中にでも入ったか?

再度外の景色を見やったが何も見えない。
というかここはどこだ?

さっき見たときは確か降りる駅の4つ前だったはず。そろそろついてもおかしくない。
次に緑間が見たのは電工掲示板。次は○○駅と表示されるはずのそこは真っ暗で何も写っていない。

現在位置がわからない。


「おい、ここはどこだ」
「え?あ、やっべ全然見てなかった!」
「緑間がわかんないんじゃ俺にわかるわけねえじゃん」
「お前……。あと携帯が繋がらない。高尾、携帯は生きてないか」
「んー?あれ、圏外だわ」
「あれ俺もだ」


全員の携帯が圏外になっていた。
あれだけいたはずの乗客はかなり減っていて、残った客は例外なく皆眠っていた。誰から見ても妙だとわかる状況で、緑間は考え込む。


「あん?なあきさらぎ駅ってどこよ」

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