目の前に@@がいた。俺に背中を向けてたから名前を呼んで、手を掴む。
@@はゆっくり振り返った。何かいやなものでも見るような顔で俺のことを見てて、頭のてっぺんから爪先まで体が全部冷たくなった。


「離せよ」
「なんで、待ってよ@@」
「気安く呼ぶな」


@@は無理矢理俺の手を振り払った。
そのまま何も言わずにどこかへ行こうとする。
待って、そう言っても@@は止まってくれない。
@@が向かう先にはみんながいた。
俺以外のみんな。@@、って名前を呼んで@@をつれてこうとする。


「行かないでよ、@@!」


やっぱり@@は止まってくれない。
俺はだんだんイライラしてきて、ざわざわ体が変になる。

俺よりあいつらがいいの?そうやって俺を置いていくの?そんなのいやだ、そんな@@、キライ






あげない







誰にも!!!


夢中で走って、@@に追い付いた俺の両手が、@@の肩を掴んで俺は思うまま露出した首もとに「敦!」



「……あ、れ」
「起きろおめー。遅刻すんぞ」


@@が上から俺を見下ろしていた。
あれ、今の、夢?


「@@…」
「早く起きろってば。ほら制服」
「ぶっ」

顔にべしゃっと張り付いた俺の制服。
なんか重たい体を起こして見渡してもバスケ部もみんなはいないし、@@もなんともない。いつものむすってした顔で俺を見ていた。


「@@」
「なんだよ」
「@@」
「だからなんだっつの」


よかった。気安く呼ぶなとか、言わない。

…ごめんね、キライとか言って。
嘘だよ、そんなことないよ。


「お前昨日勝手に帰ったろ、他の奴等がしんぱ……お、おお!?なんだよど、どうした!?」
「な、なんでも、ねーしっ…!」
「なんでもねえなら急に泣くな!」


いつも通りの@@見てたら心臓がぎゅーって痛くなって、目の奥がずきずきしてきた。
気づいたらぼたぼた音を立てて俺の目から水が布団に落ちている。悲しいわけじゃないんだけど、なんかとまんねーや

そんな俺を見て@@は両手を握ったり開いたりしておたおた、あわあわ。
そういうとこ昔から変わんないよね。


「泣くな、ほら、俺か…俺がいけねえんか……」
「そんなとこ…?」
「何もしてねえだろが!」


怒ってるみたいな口ぶりのくせして、顔心配そう。あーーーもう!!って言いながら@@は俺の横にしゃがんでぐしゃぐしゃ頭を撫でてきた。ちょっと痛い。


「泣くな、敦」


@@の力が強すぎて何本か髪が抜けてやっぱ痛かったけど、それより心臓が痛い。
@@も同じくらい痛がればいいのにって思って、思いっきり昔より大きくなった体に抱きついてやった。


「んぐぁ!!」
「昔のままでいてよ、@@」
「ロープ…!あつしロープ…!!」


お願いだから
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