「俺だって化物にはなりたくねえけど、なっちゃったらしょうがねえじゃん?」
「しょうがねえって…」
「でも俺はプライド捨てねえぞ。もし化物になりそうになったら自害してやる」
親指で首を掻き切るジェスチャーをしながらあくまで俺たちは人間なのだと@@は笑っていった。
「青峰は人間でいたいか?死にたいくらい?」
「そりゃあ…」
「じゃあ自分に勝てよ。勝てなかったら」
そんときは俺が殺して、一緒に死んでやる。
堂々と言い切った@@の顔は日が当たっているのに暗く見えた。
でも綺麗だと、青峰は目を奪われる。
なぜか笑いが込み上げてきて、青峰は@@の肩口に顔を埋めた。
「は、はは…バッカじゃねーのお前…」
「おう、筋金入りのな。でもそんなバカに張り合えるてめえも充分バカだ」
「男らしすぎだっつの」
「ハッハー惚れんなよ」
「バァカ…………………もうおせぇよ」
最後の言葉は@@にはよく聞こえなかったらしく、「え?なに?」と聞き返してくるが青峰は無言のまま首を振る。
そしてすがるように@@のワイシャツの背中を握りしめた。
「俺だって、人間でいてえ」
「おう」
「…絶対だ、約束しろ@@。俺が次化けもんになりそうになったら、…お前に任せるからな」
@@は何も言わずに青峰の頭をくしゃりとかき混ぜた。
さようならに約束
(お前男のくせにいい臭いすんな)
(いや嗅がないでくれる)
8
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