無言が続いている。その場の全員がまず青峰を見て、次に@@を見る。ふてぶてしさマックスの二人微動だにせず鋭い目と目で語り合い、
同時に右手をお互いに伸ばした。
ガッ!!
…え?
殴り合うのかと全員が席から立ち上がって止めの体制に入っていたが二人の行動は真逆だった。
固くお互いの手を握り合い興奮ぎみに手を振っている。
「お前すげえ馬鹿だな!」
「お前もな!」
「お前とはすげえ…なんつーんだ、気が合いそうな気がする」
「俺もだ…」
ええ…なにこれえ…
あの赤司まで立ち上がって行き場のない手をふわふわさせている。
桃井が見張ってて!と置いていった彼、青峰も交えて男だらけの勉強会が幕を開けたのだが、いるからには勉強しろと渋々青峰も参加。
繰り出される珍回答。正解がわからずに机を叩く青峰を見て@@は己と同じものを感じざるを得なかった。あふれでる親近感。
そしてミミズが大行進する@@のノートを見て青峰もまたはっとしたのだ。
こいつは真性の馬鹿、そう……ソウルメイトだと。
「テストなんかしなくても生きていけるよな!」
と青峰
「全くだな。紙切れの一枚や二枚で俺の人生が左右されるなんざ間違ってる」
と@@。
妙な連帯感を見せつけてくる二人。
もしかしなくてもこの二人は一番引き合わせてはならない組み合わせだったのでは。
「俺らの居場所はここじゃない。…そう思わねえか青峰」
「…!乗ったぜ、その話」
@@が不敵な笑みを浮かべて呟けば、青峰は悟ったように頷いてカッ!と目を開いた。
そこからの二人の行動はまさしく光速。目にも止まらぬ早さで鞄をひっつかみテーブルを飛び越え一直線に図書室の出入り口へダッシュ!
「峰ちん待てやゴラァアアア!!」
「逃げたぞ追え!!」
「つかはっや!なにあれ!?」
どんなバカでも二人はバスケ部とサッカー部のエース。
すでに大分遠くから聞こえるフハハハー!してやったりー!という高笑いを聞きながら残された面子はというと
「いい加減にしてもらえますかね!!!!」
「「「すいません…」」」
司書に怒られていた。
逃避行といこうじゃないか
(やべえなお前!@@って呼んでいいか!)
(許す!)
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