かわいいの大好き!猫も好きだけど犬も好き!


@@は猫に似てるよね

…そんなことない。似てたら仲間じゃん。こんなに引っ掛かれない


少しさわり方が乱暴なんだよ、ほら。こうやって……


細くて綺麗な指が顎の下を撫ーーーーーー



「ヒッ!!!」

喉をひきつらせながら@@は目を見開いた。
遠い過去に封印した記憶が鮮明に甦ってきて尋常じゃない汗が身体中をしめらせていた。震えの止まらない体を自ら抱き締めながら@@は周りを見渡した。白いシーツ、漂う薬品のかおり。


「(保健室……)」



ーーーー夢、だったのではないだろうか

最近色んなことが続いて体が疲弊していたのは事実。
それに伴い精神もいつの間にかすり減ってあんな幻覚を見たんだ。と。
ここに奴がいるわけがない。遠い異国で好きなスポーツに励んでいた彼がまさか日本にいて、あまつ幼馴染みと顔見知りなんてあってはならない。
世界はそんな狭くないはずだ!@@は己を奮い立たせ汗を乾かすように襟をはためかせつつベッドを抜け出た。


「だから!@@は俺のだし!何で室ちんがでてくんだよ!」
「@@はものじゃないよアツシ」


夢じゃなかった…!!!
カーテンの向こう側に広がる修羅場を見て@@は膝から崩れ落ちた。


「ああ、@@。よかった目が覚めたんだね。心配したんだぞ」
「なななななんでお前こここここにいるの…ひ、氷室」
「@@に会いたかったから…と言いたいところだけど一身上の都合でね。でも@@に会えたのは本当に嬉しいよ」
「帰れ!アメリカに帰りやがれ!!」
「本当に@@は変わらないな。照れ屋なところとかあの時のままだ」


氷室はゆっくり@@に近づくと開け放った襟から除く首筋に指を這わせた。



「釦あけすぎじゃないか@@。誘ってるようにしか見えないよ」
「ぎゃああああ!!!あああつしいいいいい!!!」



脱兎のごとく逃げ出した@@は一目散に紫原の後ろに隠れる。
不良も教師もヤクザですら臆さない@@が子供のように喚いているのは由々しき事態だ。紫原は@@を庇うように手を回し氷室を思いきり睨み付けてやった。


「@@に何したんだよ室ちん。答えによっては捻り潰す」
「何もしてないぞ?少し@@が照れ屋なだけ、かな」
「@@が照れ屋だったら俺今苦労してねーし」
「ふーん…アツシもか。@@はかわいいから、仕方ないな」


かわいい、という単語に@@の体がびくびく震えた。
思い出したくもないのに@@の脳裏に@@がイケメン嫌いになる原因である憎き過去がよぎった。


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