今夜は寝かせない ※ちょっといかがわしい |
後ずさろうにも背中には柔らかな寝台。 前門のウェラー卿、後門のベッド。 おまけに囲い混むように頭の両脇に手を付かれている。 せめてもの足掻きと有利は掛布を目元まで引っ張りあげて簡易的な盾を作った。 目の前の男の表情は相変わらず・・・もういっそ胡散臭くなるような笑顔だ。 その瞳のなかで銀の星が爛々と輝く。 「駄目です」 嫌がられるほど、拒絶されるほど征服したいと思うのは本能だろう。 誰しもが持っている感情だ。 獲物をみつけた獅子のような表情でコンラッドは掛布に手をかける。 一方、野生を生き抜く草食動物のように跳ねて駆けて逃げることのかなわなかった有利は、冷や汗をかきながらも観念したように掛布を握りしめていた手をゆるめた。 そのまま開かれた手のひらはまるで降参を示しているようで。 本当に獅子になったかのようにごろごろと喉の奥で笑い声をあげたコンラッドは有利の手首をやんわり押さえると耳元に唇を寄せた。 「今夜は寝かせない」 - - - - - - - - - - mickel様に捧げます! 今夜は寝かせない。 |