好きや愛してるを使わずに
告白してみてください


お庭番と!






「坊っちゃん私をすきにしてー!!!」
「うわっ」
背後からのびてきた逞しい腕が体に巻き付きいつのまにか目の前には厚い胸板。
有利をがっちりと抱き締めた凄腕諜報員は上機嫌にしなをつくった。
体をくねらせるヨザック。彼に抱き締められてる有利の体もヨザックの動きにあわせて揺れる揺れる。
「死因は筋肉の海での溺死かなー」
胸板に溺れている有利は目の前の体を押し退けよう奮闘しながらげんなりつぶやいた。
いいなーいい筋肉だなー。
思うように筋肉のつかない自分の体と、なかなか押し退けることのできないヨザックとにコンプレックスを刺激されていると
「なーに言ってるんですか」
ヨザックの笑い声が胸板を通して体に響いた。

「死なせませんよ、死なせません」
つむじのうえから声が届く。
身じろぎひとつもできないように抱き締めれれていたのでヨザックがどんな表情をしていたのかなんて知らない。
低いハスキーな声が「死なせませんよ」ともう一度つぶやいた優しい声を聞いた。


幸せな悪夢をみた。
あのとき自分はなんと答えたんだったか。
真剣な空気に堪えきれなくて笑い話にしたのか、はたまた彼のほうが冗談のなかに本当を紛れ込ませていたのか。
「だったらあんたも自分を死なせちゃいけないんだよ」
飛び起きたままの体勢をくずして、ベッドの上で膝を抱える。
船が大きく揺れた。


眞魔国まではまだ遠い。





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ギャグからシリアスになった第二弾!
の人。


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